八百三十六頁目
朝を迎えて今度こそあの超巨大な草食の捕獲に掛かった俺達だが、どうやら俺とフローラの予測は正しかったようだ。
というのも実際に大砲を頭に打ち込んでみると、前に岩石がぶつかった時と同様にふら付くような動作を見せたのだ。
もちろんこちらを敵視してブロントサウルス以上の迫力でもって周辺の木々を玩具のように吹き飛ばしながら轟音をかき鳴らしつつ突っ込んできたが、空を飛んでいる俺達に攻撃が当たるはずがない。
おかげで一方的に攻撃し放題ではあったが、大砲が大きさのせいで大雑把な狙いしか付けられないので頭に当て続けるのはかなり難しかった。
ケツァ君の操縦をメアリーに専念してもらい、弾の装填と狙いをつけて放つのを俺とマァで分担して行い、それでも三発に一度頭に当たればいい方だった。
尤も多少外れて身体に当たっても、大きすぎる図体に相応して体力もあるためか殆ど傷付いた様子も見せなかったので倒してしまう心配はなさそうだ。
これならこのまま昏睡まで持ち込めそうだと思ったのだが、意外にもそれからかなりの間攻撃し続けても全然気絶してくれなかった。
ひょっとしてこのやり方では駄目なのか……しかしその割には頭に当たるたびにふら付くのは……そんな問答を心中で何度も繰り返し、またマァ達も同じことを思うのか困惑気味に俺へ視線を投げかけてくる。
何だかんだで大砲の運用にはそれなりに体力を使うし、流石にスタミナがずば抜けているケツァ君と言えどもこれほど長時間休憩抜きで空を飛び続けていてはいずれ限界が来てしまいそうだ。
だからもう一発だけ頭に当てたら休もうと思いたい方を放った……ところで不意に超巨大な草食は顔を背けて俺達から離れるように移動を開始したではないか。
これはまさに気絶する寸前の動物が良く行う仕草にそっくりであり、そこでようやく俺は自分のやり方が間違っていなかったのだと確信を抱いた。
こうなったら一気に攻撃を……と思ったがやはりケツァ君が限界近いようで飛行速度が落ちてきてしまい、仕方なく近くの安全そうな崖上へと着地して休憩することになってしまう。
まあ他の生き物と違ってサイズがサイズだから多少逃げられても見失う心配はないのだが……あと少しであの超巨大な生物を仲間に出来るのだと思うとなんだか気が焦ってしまうなぁ。
尤もそんなことで油断して取り返しのつかないミスをしたら目も当てられない……今まで何度もそういう迂闊な真似をしてきたのだから、今度こそ慎重に行動しよう。
【今回名前が出た動物】
ティタノサウルス(超巨大な草食)
ケツァコアトルス(ケツァ君)
更新が遅れがちで申し訳ありませんでした。
予定ではあと数話で最終回になります。