八百三十九頁目
予想外のトラブルが起こって少し困惑している。
まあある意味で怪我の功名というか、結果的には良い情報ばかりが残ったのだけれど……はぁ……またドラゴンに挑まなければいけないのかとドキドキしてしまった。
というのも実はこの度、ついに例の火山の中にある洞窟へ挑もうとして連れ込む生き物たちをドアの傍へと誘導していたのだ。
なにせ火山の中で足場が悪いうえに、すぐ傍にはマグマ溜まりもあるのだ。
少しでも足を滑らせたら一巻の終わりという結構厄介な立地のせいで動物の誘導だけでもまた一苦労だったのだ。
だから仕方なく熱に比較的強い金属の建材を持ち込み、上手く土台と柱と足場になる天井という部材を組み合わせて少しでも平たくなるよう整地染みた真似もする羽目になっていた。
そうして苦労しながらも動物達を火山の中にある扉の前へある程度集合させ終えて一息ついた際に、ふとティラノの尻尾が揺れて俺の身体を押し出そうとしたのだ。
こんな形でマグマに落ちては何のためにここまで頑張ってきたのかわからない……だから必死に手近にある何かを掴んで踏ん張った。
しかしその際に掴んだ物が例の扉を起動する装置であり、しかも既に挑む気満々だったから既に三つの空洞にオベリスクの試練で倒した生き物を模したトロフィーも嵌め込んであって……結果的に装置が起動してしまったのだ。
果たして重厚な物音共に扉は開き、それこそオベリスクの試練へ挑む時のようなカウントダウンも始まってしまい一瞬固まってしまった。
まだ動物を揃え終えていない状態だっただけに、このまま近くにいる子だけを連れ込んでここへ挑むべきかそれとも今回は諦めてもう一度トロフィーを集め直すか……そんな絶望的な二択がよぎってしまう。
しかしそこでふとトロフィーをはめ込んだ場所を見ると、何と装置を起動した後だというのに三つともそこに残っていたのだ。
オベリスクの試練を挑む際は起動すると同時に装置の内部に取り込まれるように消えていくというのに……この差に驚きつつも、ひょっとしてオベリスクと違い別の場所に転移するのではなく物理的に扉をくぐることで試練に挑む形だから、中に足を踏み入れなければ消費しないのかもしれない。
実際に制限時間が過ぎて扉が閉まってもトロフィーはどれも消えることなく穴に嵌め込まれたままであり、それを確認した俺は心底安堵して胸を撫でおろしてしまったぐらいだった。
本当にこんなくだらないことでまたあのドラゴンに挑まずに済んでよかった。
尤も起動する前は回収できたトロフィーはもう取り外すことも出来なくなっていた。
これはやっぱりさっき俺が考えた通り、一人以上がこの洞窟に挑んだらその時点で消えるとかなのだろうか?
【今回名前が出た動物】
ドラゴン
ティラノサウルス