ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第427話

十頁目

 

 早速拠点を作ろうとそこそこ平らなスペースを見つけ、近くにいる邪魔な動物を排除していく。

 ラプトルを始めとして狼の群れや、四つ足で歩くこれまた見たことのない針を飛ばしてくるトカゲに似た生き物だ。

 どいつもこいつも……特に最後の奴は前の島で見かけない新種である上に、遠距離攻撃できる魅力的な能力を持っていたから仲間にしたいところだった。

 

 だけれど今の物資で肉食の捕獲にかかるのは危険すぎる……麻酔弾とは言わないがせめて麻酔矢を用意できるまでは我慢しよう。

 そう思って泣く泣く新種の動物を含めて……ちょうど通りかかった例の瘤付きも一緒に退治していき、一通り採取したうえで安全を確保することに成功する。

 これでやっと拠点作りを行えるようになったわけだが、さて何の素材で作ったものか?

 

 石で作れば防護性という意味ではほぼ完ぺきだけれど、重量があるから一つ一つ部材を組み立てていくのに結構な手間がかかってしまう。

 それに対して藁の家ならば簡単に作れる上に軽いから一度に土台から壁や屋根まで作り上げた上で一気にくみ上げることであっという間に作れてしまうだろう。

 ただ問題は藁の家では耐久力が弱すぎて防護性が貧弱すぎる点だ……こうなるとやっぱり利点も問題点もそれぞれの間ぐらいにある木材の家がベストなのだろうか?

 

十一頁目

 

 どうやらこの場所の暑さを見誤っていたようだ。

 試しに木材で簡易住居を作ってみたはいいが、熱が籠って仕方がない。

 これでは逆に家の中で熱中症にかかって倒れてしまいそうだ。

 

 この調子では拠点づくりでも素材を厳選する必要がありそうだが……本格的にこの土地は前の島とは生き抜くための難易度が桁違いのようだ。

 仕方なく石と藁でそれぞれ簡易住居を作って確かめてみたが、どうやら藁造りならば通気性のおかげでか少しは快適に過ごせそうであった。

 もちろん頑丈性の問題はあるけれど、これに関しては藁で作った拠点を覆うようにして木材か岩で作った防護壁を並べて何とかするしかないだろう。

 

 ……ただもしこれ以上に気温が上がってくるとなると藁の家でも心もとないかもしれない。

 それまでにエアコンさえ作れればいいのだが、前の時の進展具合を考えればそれまでにはかなりの時間が必要となるだろう。

 何か他に熱対策を考えるべきかもしれない……それこそこの藁の家よりもずっと暑さに強い住居の作り方が思いつけばいいのだが……。

 

十二頁目

 

 相変わらず左手首の鉱石はこういう時に頼りになるものだ。

 これを眺めながら考えたところ、いつものように新しい住居の作り方とそれに必要となる材料の作り方が思い浮かんだ。

 この土地特有の砂とサボテンの樹液をすり鉢でつぶして混ぜることで作った粘土を練り上げて乾かすことでレンガを作り、それで作った住居ならばきっと熱対策ができるはずだ。

 

 早速すり鉢で粘土を作る……というわけにはいかなかった。

 何せすり鉢を使っている最中は無防備すぎるので、それこそ拠点内でなければとてもできない作業だからだ。

 それに何より磨り潰して混ぜる作業にも時間がかかるわけだし、せっかく活動できる明るい時間帯にそんな作業をするのはもったいない。

 

 だから今のところは藁で住居を作り、その周囲を石と木材で作った防護壁で囲んだ安全な拠点を完成させておくことにした。

 もしかしたら後でレンガ造りの拠点に作り直す羽目になるかもしれないが、こればっかりは仕方がないだろう。

 その上でやっぱり日が昇っているうちは外での活動を優先しておき、屋内でできる作業は暗くなってから行うのが一番効率的だろう。

 

 ……恐らくこの場所でも長く一か所にいたら野生動物の襲撃が起こる可能性が高いのだから、とにかく時間を無駄に使うことだけは避けなければ。




今回登場した動物

ユタラプトル
ダイアウルフ(狼)
モロクトカゲ(針を飛ばしてくるトカゲ)
モレラトプス(瘤付き)
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