十三頁目
思っていた以上にこの場所は暑い。
ちょっとした作業でも汗が大量ににじみ出て来て、ちょくちょく通気性の良い藁の家で休みつつサボテンから樹液を飲まなければやってられない。
まあサボテン自体は……というかあらゆる資源は相変わらず幾ら採取しても目を離しているうちに元に戻っているから足りなくなることはないだろう。
ただ喉の渇き自体はそれでいいけれど、やっぱりここまで暑い上に汗をかきまくっていると水浴びなどをしたくなってくる。
何よりもっと多くの素材を手に入れるために遠くへ移動するとなれば……それこそ洞窟のようなサボテンがなさそうな場所にも向かう必要があるかもしれないし、水筒などに入れて大量に水を持ち運ぶ必要が出てくるかもしれない。
そのためにはちゃんとした水源を探しておかなければならないだろう。
……問題はこの砂だらけの土地のどこにそんな場所があるのかという点だけれど……いったいどこを探せばいいのやら?
十四頁目
とりあえず拠点が完成したところで、屋根の上から周囲を見回すけれど目につくのは地平線の果てまで続く乾燥した大地ばかりだった。
こうしてみると水にだけは困らなかった前の島がいかにありがたい環境であったか、改めて思い知らされるようだ。
……なんだか前の島が妙に懐かしく感じる……それこそ望郷の念に近い感情が湧き上がってくる。
あそこから色々と持ってくることができれば一気に楽になるのだけれど……それこそ電化製品から便利な動物たちまで持ち込んでやれば一気に文明開化してこの島を攻略しきってやれる気がする。
なんならせめてアルケン君だけでも連れてこれれば……いやプテラでもいいのだけれど、とにかく飛行手段が欲しいところだ。
そんなことを思いながら空を見上げたところ、お腹を膨らませた虫と共に人が乗れそうなサイズの巨大な蛾がふわふわと飛んでいくのが目についた。
どちらも前の島では見たことのない新種の生き物だが、こいつらのどちらかに乗って空を飛べれば話が速いのだけれど……。
十五頁目
空を行く二匹の昆虫に軽く弓矢を当てて見たが、どちらも反撃しようともせずに逃げるばかりだった。
正確には巨大な蛾の方は身体に悪そうな鱗粉を振りまいてはいたけれど、直接危害を加えるような真似はしてこなかった。
これならば動きさえ拘束してしまえば危なげなく仲間にできそうだと判断し、早速動物を拘束できるボーラと気絶させるためのこん棒を作って試してみることにした。
しかしお腹が膨らんでいる虫の方は仲間にできないのかそれとも単純に体力の問題か、気絶させることもできずに倒してしまった。
それでも代わりとばかりに虫だからかキチン質の素材と何故か原油を採取することができてしまった。
どちらも後々多くのことに使える素材だからありがたく確保しておくが、しかし何でまた虫のお腹から原油が採取できるのだろうか?
まあこの島の動物の生態について考えても仕方がないことだし、そういうものだと割り切ることにしよう。
それよりも気になったのはひょっとして前の島が特別だっただけで、この場所では動物を仲間にすることができないのではという点だった。
最初に気絶させようとした虫があっさり倒れたせいでそんな不安が頭をよぎってしまったが、考えてみればあんな風に簡単に動物を手懐けられる方がおかしいのだ。
何より前の島において難易度の高い洞窟では実際に動物を仲間にできなかったことを思うと……いやだからって流石にこんな過酷すぎる土地を動物の力なしに攻略させるような鬼畜な真似はしないと信じたいところだ。
今回名前が出た動物
アルゲンダヴィス(アルケン君)
プテラノドン(プテラ)
ジャグ・バグ(お腹を膨らませた虫)
リマントリア(人が乗れそうなサイズの巨大蛾)
リマントリア可愛いのに友人が気持ち悪いって仲間にすること許してくれない……リマントリア可愛いですよね?