ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第432話

二十五頁目

 

 色々と抵抗感は強いがこの砂漠において水筒のように水を運べる能力は魅力的ではある……だからやっぱりこの瘻付きはぜひとも仲間にしておくべきだろう。

 そう思って改めて俺は拠点に戻りもう一度モスラにまたがって高いところから今度は生き物の探索を中心的に行うべく周辺を見回してみた。

 すると意外と近いところに恐らく雌雄で行動していると思わしきペアを見つけることができた。

 

 ……ただそれ以上にあちこちにいる肉食ばかりが目について仕方がない。

 ラプトルに狼、刺を飛ばす新種のトカゲ、また姿は見えないが少し離れたところでダエオドンが治療するために微生物か何かを放っている際に見える光も確認できるではないか。

 他にもサーベルタイガーに犬のような奴から飛べないけど滑空はできるダチョウもどき……大型こそいないが中型以下の厄介な肉食のオンパレードだ。

 

 暑い環境も含めて、前の島でいえば物資が揃ってから出ないと立ち入れない雪山に近い危険度だろう。

 それこそ前にあの島で経験を積んでいたからこそ何とかやっていけているが、もし最初に目覚めたのがこの場所だったら二十四時間生き残れたかどうかすら怪しいところだ。

 そう考えるとやっぱりここには前の島のような環境を乗り越えた経験者が集まる場所のような気がするが……まあいずれ人に出会えればその辺りの答えは出るだろう。

 

 ……ま、まさかとは思うけどこの広大な砂漠に俺一人ぼっちってっことはないよね? 

 い、痛っ!? い、いやフローラのことは忘れてないよっ!! 忘れてないしすごく心強いけど……分業できて相談とかできる仲間も欲しいんだよぉ……

 

二十六頁目

 

 色々と作業していたこともあり、気が付けば少しずつ日が落ちてきていた。

 さすがの砂漠といえども昼を過ぎれば温度が下がるのは変わらないらしい。

 それでも元々の太陽の日差しが強かったためか、完全に暗くなるまではまだまだ時間がありそうである。

 

 とはいえ真っ暗な中で肉食に襲われたら流石に危険すぎるから、余裕を持って行動しておいた方がよさそうだ。

 だから野外活動は次でラストにしようと思い、何をするか軽く考えながらモスラを屋根の上に着地させようとした。

 しかしその直前に俺は、少し離れたところの地表に異様に煌めく石があるのに気が付いてしまう。

 

 あの輝きは……前の島で何度も何度も何度も見てきたのだから間違いないっ!! 金属鉱石の塊だぁっ!!

 

二十七頁目

 

 この辺の岩は脆いせいで幾ら砕いても砂ばかり取れて、全く金属鉱石は手に入らなかった。

 だからこそあそこにある金属鉱石の塊は非常に魅力的であり、今すぐにでも取りに行きたいところだった。

 何せ鉄装備は文明を発展させるための第一歩であり基本中の基本……特に金属のピッケルと斧と鎌だけは素材の効率的な採取のためにも揃えておきたい。

 

 しかも都合がいいことに、その金属鉱石のすぐそばにはアンキロと思わしき動物の姿もあるではないか。

 これは今すぐにでも向かうべき……と思いたくなるが、現状を思えば断念せざるを得ない。

 何せ仲間の動物は戦力になりえないモスラが一匹のみだし、武装にしても布の防具と粗末な弓矢のみなのだ。

 

 流石にこんな状態で、しかも仮にも日が落ちかけているこの時間帯に拠点から離れたところへ向かうのは自殺行為だろう。

 悔しいがあれを取りに行くのは明日以降にするとして、今はやっぱり当初の予定通り近くにいる動物を仲間にするのを優先しよう。




今回名前が出た動物

モレラトプス(瘤付き)
リマントリア(モスラ)
ユタラプトル
ダイアウルフ(狼)
モロクトカゲ(針を飛ばす新種のトカゲ)
ダエオドン
サーベルタイガー
ヒエノドン(犬のような奴)
テラーバード(飛べないけど滑空はできるダチョウもどき)
アンキロサウルス
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