ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第433話

二十八頁目

 

 今度こそ例の瘤付きを仲間に……と思ったのに、拠点から少し出たところで狼の咆哮が聞こえてきた。

 果たしてそちらを向けば四匹ほどの狼の群れが、こちらをまっすぐ見据えて突っ込んで来ようとしているではないか。

 流石に多勢に無勢、今の武装で正面から戦って勝てるはずもなく、仕方なく俺は拠点まで戻りドア枠を積み重ねて作った防壁に引っかかっている狼達を住居の屋根の上から弓矢で処理していくことにした。

 

 全く次から次へと肉食が襲い掛かってくる……これは早めに護衛の動物を仲間にしないと大変そうだ。

 それもできれば自分の安全をより盤石にするためにすぐサドルが作れて、そのまま背中に乗れそうな奴がいい。

 ただ資源も乏しく作業机もない現状だとこの辺にいる肉食のサドルで作れそうなのはラプトルぐらいだろう。

 

 それこそ目の前の狼などは……ん? そういえばこいつのサドルはどういう素材を使うものだっただろうか?

 

二十九頁目

 

 完全に忘れていた……そういえばこの狼は数少ないサドルなしでも安定して跨がれる生き物でもあったのだ。

 ちょうどリーダー格の一匹を残して倒し終えたところで思い出せたのも何かの縁だし、こいつを捕獲できるか試してみよう。

 基本的に麻酔矢を始めとした遠距離から確実に昏倒させれる手段無しで肉食を捕獲するのは危険だが、ボーラで足止めができるこのサイズの奴なら話が別だ。

 

 とりあえず逃げないようにボーラで足止めしておき、遠距離からブーメランで可能な限り頭を叩きまくり……それでもダメそうなら向こうが拘束されて動けないのを利用して、攻撃が届かない背後からこん棒で殴ってやればいいのだ。

 実際にとにかくボーラが外されないかだけを注視しながら気絶させるべく試みると、少しばかり時間はかかったが無事こいつは防壁にもたれかかる様にして崩れ落ちた。

 もちろん口元に生肉を持っていくと当たり前のように食べ始めて……目が覚めた時には俺の仲間になってくれていた。

 

 まさかいきなり移動手段と戦闘力を兼ね備えた仲間ができるとは……周りが危険な分、こういうリターンもあるってことだな。

 

三十頁目

 

 リーダー格だけあって仲間にした狼……ウルッフは中々に強めの個体のようであった。

 尤も軽く乗り回した程度で日が暮れてしまったこともあり、実際に戦闘を始めとした能力をちゃんと調べたわけではないが序盤の戦力としては十分だろう。

 だから明日はこの子と一緒にもう少し大胆に活動しつつ仲間を増やし、最終的にはあの金属鉱石を手に入れるところまで行きたいところだ。

 

 まあそのあたりのことは実際に明日活動してから決めるとして、今は屋内作業に集中……と思ったけどなんだか妙に寒くなってきた。

 それこそ昼間の暑さが嘘のように周囲の気温が下がっているような……おまけにめちゃくちゃ汗をかいていたせいで余計に身体が冷えてたまらない。

 こ、このままじゃ風邪をひいてしまいそうだ……とりあえず新しい服を作ってそれに着替えて、それと篝火と焚火も用意しなければ……。




今回名前が出た動物

モレラトプス(瘤付き)
ダイアウルフ(狼、ウルッフ)
ユタラプトル
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