ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第434話

三十一頁目

 

 何かで砂漠の夜は冷えると聞いたような気がしたけれど、まさか本当にここまで寒くなるとは思わなかった。

 それこそ火を焚かなければ凍え死ぬ、とまではいかないかもしれないが少なくとも寒さに震えて眠れぬ夜を過ごすことにはなったかもしれない。

 ……しかし島では電化製品に囲まれていたからこうして焚火の光で夜を過ごすのは久しぶりだ。

 

 やはり純粋な明るさという意味では電灯に遠く及ばないが、自然界の綺麗な夜空の下では炎の輝きを見ていると妙に落ち着く気がした。

 遠くから聞こえる動物の咆哮も、こうして安全地帯を確保した後だと逆に情緒を感じるから不思議なものだ。

 いつまでもこうして焚火に当たりながら夜風に吹かれていたい気もするが、のんびりしすぎて移動の準備に手間取ってしまったら厄介な野生動物の襲撃がどんどん激しくなってしまう。

 

 いずれ複数の拠点が完成した後ならばともかく、今は夜という時間も効率的に使って動くべきだろう。

 そのためにも焚火で焼いているこのこんがり肉を食べ終えたら屋内でできるクラフト作業に移るとしよう。

 ……脂が乗っていて美味しいのだけれど、向こうの島で豪勢な料理を食べていたせいか何だか物足りなく感じてしまうなぁ。

 

 フローラやメアリーがカスタムレシピを元に作ってくれた料理が恋しい……もう少し余裕ができてきたら俺も少しは自作料理にチャレンジしてみるかな?

 

三十二頁目

 

 焚火で肉を焼いている最中に気が付いたが、どうやらこの砂漠は余りにも環境が過酷すぎるせいか生モノは非常に腐りやすいようだ。

 生肉を始めとして果実なども島に生えていたのと同じ種類のはずなのに、あの時よりずっと早く腐っていってしまう。

 まあ島にいたときはある時期から冷蔵庫を使って保管するようになっていたから外に放置してある食物がどれぐらいでダメになっていたかはっきり覚えているわけではないのだが……本当に電化製品は便利な物だったんだなぁ。

 

 ただ腐った肉は麻酔薬の材料になるので生肉が腐りやすいのは利点にも繋がるのだが……やはり食料が腐りやすい問題はどうにかしないとまずいかもしれない。

 それこそ長距離移動する際や洞窟などのために準備しておいた食料が腐ってしまったら目も当てられない。

 しかし流石に今の時点で冷蔵庫を用意するのは難しいだろうし、だからといって原始的な材料で賞味期限を延ばす設備など作りようが……いや、なんかあったような気がしなくも……?

 まあなんにしてもまずは水を幾らでも使えるように水源を見つけてから考えてもよさそうではあるのだが……。

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