ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第435話

三十三頁目

 

 とりあえずすり鉢で作れるものを片っ端から作っていく中で、石と火打石を混ぜ合わせて出来た発火粉を手にしたところで思い出した。

 確かこれを利用した食料保存庫なんてものが作れたはずだ。

 最初の一つこそ自分で作ったが、その後はフローラが用意してくれるようになって作る機会がなかったからすっかり忘れてしまっていた。

 

 確か材料も今手元に確保してある石と木材に藁と繊維を組み合わせればよかったはずだし、早速作って拠点内に置いておくことにした。

 これで焼いたばかりのこんがり肉を入れておけば、とりあえず拠点内にいる限りは空腹に悩まされる心配はなさそうだ。

 後は携帯食料というか持ち出した食べ物の賞味期限を延ばす方法があればいいのだが……そんな便利な手段というか方法があるのだろうか?

 

 オリジナル料理を始めとした鉱石に頼らない物を幾つも作っていたフローラなら何か思いついたかもしれないが俺では……そういえば彼女が残してくれたレシピを元に自作した料理はどれも妙に長持ちしていた気がするなぁ。

 やっぱり近いうちに調理なべでも作って簡単な調理をした方がいいのかもしれない……ただやはり料理にも必要不可欠な水を確保してからでないと……本当に早いところ水源を見つけなければなぁ。

 

三十四頁目

 

 すり鉢で砂をサボテンの樹液に混ぜ込んで固めることで完成した粘土……これと補強するための木材を藁と繊維で結ぶことで熱に強い建物を構成する建材を作ることができる。

 余り耐久性は高くなさそうだが、これで作った建物の中にいればエアコンがない状態で周囲の気温がかなり上がったとしても、熱中症にならなくて済みそうだ。

 まあ今の時点でも真昼間の一番熱い時間帯であっても藁の家などの通気性の良い日陰で休み休み活動すれば耐えられなくはなさそうだが、より快適さを求めるのならばこちらの建造物の拠点も作っておくべきだろう。

 

 意外とストレスも馬鹿にならないし、ゆっくり休める環境づくりも大事なのはわかっているつもりだ。

 実際に俺が作る豆腐型の安直な建物で休むより、フローラが作ってくれた住居で休んだ時の方がずっと気持ち良い朝を迎えられて活力に満ち溢れていたのだから。

 それにこの砂漠にもっと熱い場所があるかもしれないし、そこに豊富な資源があるとすれば拠点が欲しくなる……そんな感じでこの建材がなければ困ることもありそうだ。

 

 何より材料は砂もサボテンもちょっと外に出れば他の資材を確保するおまけみたいな感じですぐ確保できるし、何より粘土は文字通り腐ることはなさそうなのでとりあえず作れるだけ作っておくことにしよう。

 

三十五頁目

 

 粘土も発火粉も作り終えたところで、次いでようやく本命というか今の時点で一番欲しい麻酔薬作りにかかる。

 尤も腐った肉も黒い果実もまだそこまで在庫があるわけじゃないから作れる量は限られているが、それでも麻酔矢があるとないとじゃ動物の仲間にしやすさは雲泥の差だ。

 だから可能な限……ひ、人の悲鳴……っ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………助けられなかった、くそっ!!

 

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