三十九頁目
相変わらず気分は最悪だけれど、だからといって体を動かすのをやめたりはしない。
むしろ新たな犠牲者を出さないためにも、とにかく今は全力でかつてのようなあらゆる状況に対処できるだけの環境を整えるべきだ。
そのためにも俺は昨日の続きとばかりに仲間にする動物を求めて、昨夜作ったばかりの麻酔矢を懐に入れながらあちこちをうろつき回る。
果たしてそんな俺を見逃すまいとばかりに突っ込んできた三匹のラプトルに落ち着いてボーラを当てて動きを止めると、一匹ずつ確実に麻酔矢で眠らせていく。
本当は群れで動くと強い狼を増やしたいところだったが、ラプトルも肉食なので数さえそろえば護衛としてはそこそこ頼りになるだろう。
……実際に三匹も同時に相手したせいで、最後の一匹を眠らせる前にボーラが外れてほんの少しだけ反撃を食らってしまったほどだ……やはり数は力なりだ。
尤もすぐに狼とモスラが間に入ってくれたから大した怪我を負わずに済んだけれど……万一何かで致命傷を負ってしまったときのことを思えば……いや他の怪我人を治療する場面も出てくるかもしれないし、とにかく傷を癒せる不思議な薬であるメディカルブリューは早めに作っておくべきだろう。
……しかし護衛に入ったモスラの鱗粉……あれをもろに浴びたラプトルは思いっきり動きが鈍っていたような……ちゃんと調べなければ断言はできないが、意外と使えるかもしれないなぁ。
四十頁目
狼が一匹にラプトルが三匹も仲間に加わって、この戦力ならばとりあえずこの辺にいる大抵の敵は簡単に蹴散らせるようになったといっていいだろう。
これで後は荷物持ち要因と水筒さえあれば緑のオベリスクまで行く……のはちょっと厳しいかもしれないが、そこよりは手前にある金属鉱石の塊の場所までならば比較的安全に行き来できるだろう。
だからこそ俺は今度こそあの瘤付きを仲間にすべく、さらに近いところにいた雌雄ペアと思わしき二匹のいるところへと向かった。
しかし俺はそこで予想外の光景を目の当たりにして、ほんの少しだけ首をひねってしまった。
何せ草食であるはずの瘻付きのペアが、襲ってきたと思われる肉食……例の刺を飛ばすトカゲと正面から戦っていたのだ。
前にこいつが襲われているところも見ているし何なら俺も襲ったことがあるのだが、草食ということもあって温厚だからかその時の瘻付きは基本的に反撃などしようともせず逃げ惑うばかりだったはずだ。
それなのにどうして今回の個体達はこうも勇敢に戦っているのだろうか……それはわからないが、代わりに体格の良さもあってこの子は意外と力強いということはわかった。
それこそ二対一という状況とはいえ仮にも肉食である刺トカゲを返り討ちにしてしまったのだから。
まあその自衛力の高さは仲間にした後ならばありがたい限りだろう……仲間にするまでは一転して厄介なのだが……。
今回名前が出た動物
ユタラプトル
ダイアウルフ(ウルッフ)
リマントリア(モスラ)
モレラトプス(瘤付き)
モロクトカゲ(刺トカゲ)