ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第44話

百四十七頁目

 

 またしても新発見だ、発火粉に先ほど使い道に困っていた木炭を混ぜ込むと火薬のようなものを作ることができた。

 尤もその効能の検証……というか真っ黒い粉になって失敗したと思い込んで篝火に放り込んで爆発させてしまったせいで家が少し壊れてしまったが。

 火事にならなかったのは幸いだ、取り合えず手持ちの資材で軽く修復して今日はもう休むとしよう。

 

 しかし本当に火薬を作ることができるだなんて……だけど上手い使い道が思い浮かばない。

 それこそ銃でも作れればとは思うけれど、現状の設備と手持ちの資源ではとても不可能だ。

 だから大量に作ろうとは思わないけれど、やっぱり作れた以上は何かに利用したいものだ。

 

 そう言えばセメントも作れるようになっていた……これも使い道を考えていきたい。

 

百四十八頁目

 

 何やら恐竜たちの騒がしい声で目が覚めたが、外に出てみればラプトルの群れが建物を囲む防壁の一部を突破して仲間に襲い掛かっているではないか。

 昨夜はいなかったのにどうなっているのかと思いつつ、とりあえず迎撃を試みる。

 ガメラとトトにその甲羅を利用して盾代わりになってもらい、後ろから麻酔矢で打ち抜いていく。

 

 するとこいつらは耐性が殆どないようで、どいつもこいつもあっさりと眠りに落ちていく。

 結果として襲ってきた五匹とも全員が仲間になったが、喜びよりもやはり困惑が強い。

 だから名前も付けずに建物の屋根に上り周囲を確認すると、出発したときと同じぐらいのラプトルに囲まれていて……すぐ近くまでスピノも迫ってきている。

 

 昨日までは……いや、俺がここにいない間は安全だったというのに何故急にこんなことになるのだろうか?

 

百四十九頁目

 

 やはり想像通りというか、スピノが川を渡ってはっきりこちらに向かって移動してきた。

 それ自体は望むところだが、周りにラプトルが居る現状で戦うのは流石にまずい。

 だから拠点にいる全仲間と新たに仲間になったラプトル達に名前を付ける間もなく周辺にいる奴らの掃討を命令する。

 

 その間に俺はスピノの誘導と捕獲を試みるつもりだ……上手くいけばいいが果たしてどうなることか。

 しかしこの急激な環境の変化は本当にどうなっているのだろう?

 ひょっとして俺が狙われているのではとも思ったが、他の場所に移動していた際も別にそっちの方へこいつらが移動していた様子はなかった。

 

 しかしだとすると、俺が居るときだけこの場所の危険度が増す理由が分からない……何より初めてこの付近で目覚めてからしばらくの間はこんな風にはならなかったではないか。

 拠点を作ったから目立つのだろうか……いやそれにしても俺がいない間や他に作った拠点でこうなっていない理由が分からない。

 他の場所とここの違い……規模か仲間か……或いは、滞在期間かもしれない。

 

 この島に来てからスピノに襲われて多少移動こそしたが、ほぼこの付近から動くことはなかった。

 もしかしてあいつらは……いやこの島はそんな俺を追い立てようとしているのかもしれない。

 尤も今はそんなこと考えても仕方がない、目の前まで迫っているスピノと後ろから聞こえるラプトルへの警戒と対処が最優先事項だ。

 

 さあ果たして、俺はこの大型肉食恐竜を仲間に出来るのか……いや、絶対にやってやるっ!!




【今回名前が出た動物】

ユタラプトル
カルボネミス(ガメラ・トト)
スピノサウルス
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