ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第440話

四十六頁目

 

 道中で襲ってくる肉食もできれば仲間にしたいところだったが、今回の目的は金属鉱石の回収がメインである。

 下手に欲張って痛い目を見たら目も当てられないので基本的に駆除を優先したが、それを加味した上でも捕獲しておきたい相手に出会ってしまう。

 それは金属鉱石を始めとして岩を上手に砕くことで効率よく資源を回収できるようになるアンキロサウルス……は元から目をかけていた。

 

 だからアンキロの捕獲は当然として、今俺が悩んでいるのはちょうど少し前の方で倒したばかりと思われる瘤付きの死体に食らいついている肉食動物だった。

 異様に肩の筋肉が発達している上に相手の身体を引き裂き軽々と出血させうる鋭い爪を引っ掛けることで、壁などを這い上がれる能力を持った……前の島でも重宝していたレオ君の同種だ。

 まさかこんな早い段階でこいつを見つけられるとは思わなかった……おおよそ平坦な地形が多いこの砂漠だが、その分岩などが大きくそびえたつ場所とは起伏の差が大きく、乗り越えるには大きく迂回する必要があるためにこいつの壁をよじ登って移動できる能力は非常に魅力的だ。

 

 何より戦力としても敵を大量出血させて倒すこともできるため、かなり頼りになるのもわかっているのでぜひとも仲間にしたいところだった。

 ……ただ問題は確かこいつにはボーラが効かないという点だ……アルケン君がいればかぎ爪で掴んで持ち上げることで簡単に無力化できたのだが、どうしたものだろうか?

 

四十七頁目

 

 少しだけ悩んだがこの手の動物は一度捕獲し損ねると、いざ必要になった際にはいくら探しても中々見つからなくて困ることが多い。

 それを前の島での経験から知っていた俺は、ラプトルを盾にする形で強引に捕獲を試みることにした。

 サドルで防御力が上がっているからと言って出血そのものは止められないため、恐らくは何匹か……或いは三匹ともやられてしまう可能性はある。

 

 だがレオ君の同種を仲間にできるのならば安い買い物だ……何せラプトル自体は昏睡しやすいこともあってこちらはその気になれば幾らでも捕獲しなおせるのだから。

 そして拠点に戻るまでの自衛力にしてもモレちゃんの背中に乗っている状態で、一応それなりに強い個体であるウルッフが一匹だが護衛として残っているので問題はないだろう。

 そう思って早速麻酔矢を打ち注意を引くと、俺との間にあるラプトルへ襲い掛かり始めた。

 

 後は上手いこと三匹のラプトルに反撃しないよう指示しつつ、身体で挟み込むようにしてレオ君の同種が逃げ出さないよう物理的に拘束した上で麻酔矢を打ち続ければいい。

 どうか今の時点では貴重な麻酔矢が無駄にならないよう上手く眠らせられますように。

 

四十八頁目

 

 二匹のラプトルBCを失い、最後のラプトルAもかなりボロボロになってしまったがそれでも何とかレオ君の同種を逃さずに眠らせることができた。

 ……昏睡寸前でラプトルBCの遺体を乗り越えて逃げ出された際はドキッとしたが、フラフラの頭では途中にある段差に引っかかったことに気づくこともなかったため、そこで足止めされてくれたのが大きかった。

 これで後は適当に餌を与えて懐く仕草を見せたらもう離れてもいい……昏睡しているとはいえこいつを襲える動物は限られているし、多分この辺りにはいないはずだから。

 

 それでも念のため、傷だらけのラプトルAを休ませる目的も兼ねて護衛替わりに残しておき俺は残る動物と共に再び金属鉱石を目指した。

 もちろんまたしても肉食の襲撃が始まったが、瘤付きの背中にいるお陰で視界が通るため、近づく前に石の矢を装填しなおした弓で打ち抜いて動きを鈍らせたところをウルッフに襲わせることで問題なく進むことができた。

 群れで襲ってこられたら流石に苦労しただろうが、レオ君の同種を捕獲する前にある程度敵を倒しておいたからこそ、そういう事態を心配する必要もなさそうだった。

 

 実際に俺達は特に消耗することなく金属鉱石の元までたどり着き、ついでにそのすぐ近くにいた足の遅いアンキロも余り手傷を追うことなく眠らせて仲間にすることもできた。

 後は金属鉱石を回収して戻るだけだし、早速仲間にしたアンキロにこの岩を砕かせ……な、なんだこの振動はっ!?




アンキロサウルス
ティラコレオ(レオ君の同種)
アルゲンダヴィス(アルケン君)
ユタラプトル
モレラトプス(モレちゃん、瘤付き)
ダイアウルフ(ウルッフ)
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