四十九頁目
ヤバいヤバいヤバいヤバいぃいいいいっ!!?
な、なんなんだあのゴーレムはっ!? 岩に擬態するとかそんなのありかっ!?
いやそもそもあんな野生生物がいていいのかっ!? ど、どうなってるんだこの砂漠はっ!?
ってそんなこと考えている場合じゃないっ!! 今はとにかく逃げないとっ!?
あいつは足こそ遅いが手近な岩を持ち上げてはぶん投げてくる……あんな落石もびっくりな勢いで飛んでくる塊がまともにぶつかったら一発でお陀仏だっ!!
とにかく逃げるんだっ!! 後のことは後で考えればいいっ!! 死にさえしなければどうにでもなるんだからっ!!
五十頁目
はぁぁ……全くもって驚いた……まさかあんな空想上でしか存在しないような生き物がいるとは思わなかった。
尤も前の島でもドラゴンという似たようなファンタジー世界の住人を見てはいるが、そいつはオベリスクを起動した奥にしかいなかった。
それなのに今回のゴーレムは普通に環境に擬態した形で生息しているとは……しかも目を覚ましたばかりのまだ序盤とも言える場所から移動できる範囲にいるなんて、余りにも酷すぎる。
まあ距離が離れたら追いかけるのをやめて、また砂に潜って擬態したから逃げ切るのは難しくなかったが、それでも飛び交う岩石を避けながら逃げている最中は生きた心地がしなかった。
お陰で逃げるのに必死で足の遅いアンキロは置いてきてしまった……多分、今の時点ならまだ生きてはいるだろうけど探しに戻る勇気はない。
ただあの子が最初の一撃で砕いた分の金属鉱石だけは幾つか拾えたから、最悪でも鉄のピッケルだけは作れるはずだし、これは一旦拠点に帰った方がよさそうだ。
しかしまさかあの金属鉱石の直ぐそばに擬態してるなんて本当に罠としか言いようがない……そんなことを思いながら咄嗟に回収した金属鉱石を確認したところで俺は驚きに目を見開いてしまう。
何故ならその中に明らかに光沢から手触りまで全く違う……見覚えのあるひし形をした鉱石が混じっていたのだから。
五十一頁目
間違いなく今手の中にあるのは、俺の両手首に埋め込まれている例のクラフトを手伝ってくれる鉱石と同じものだった。
ただ違いがあるとすれば俺やフローラの奴と違い、機能が停止しているとでもいうのか温もりも何も感じられなかった点だ。
訳が分からずついついフローラの鉱石に目を投げかけると、浮かび上がったフローラのホログラムが何やら悲し気にその鉱石を見つめたかかと思うと、駄目だとばかりに首を横に振って見せた。
それが何を意味しているのか……持ち主が亡くなってしまったことを悲しんでいるのか、それとも自分やオウ・ホウさんとは違って生き返る可能性がないといいたいのかはわからない。
だけど何となく、本当に何となくだけれど手のひらから伝わる冷たさから俺は後者のような気がしてならなかった。
だからと言って捨てていくわけにもいかないし、とりあえず拠点まで一緒に戻ることにしよう。
……もしかしてこの鉱石の持ち主が昨日の悲鳴の……いやそれにしては流石に距離が離れすぎているよなぁ?
今回名前が出た動物
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ドラゴン
アンキロサウルス