ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第443話

五十四頁目

 

 未だコンパスがない状況だが、砂漠という遮るものが少ない環境もあってモスラに乗って空から周囲を確認することで今のところは道に迷う心配はなさそうだった。

 実際に帰り道の途中でボロボロのラプトルAとちゃんと目を覚まして仲間になってくれていたレオ君の同種……島にいたときに回収したサドルの設計図からティラコレオという名前がわかっていたので、そこからコレオちゃんと名付けた子とも合流することに成功した。

 予想もしない大変な目にあったけれど僅かとはいえ金属鉱石と行方不明だけれどアンキロ、そして無事にコレオちゃんが仲間になったのだから首尾は上々といっていいだろう。

 

 特にコレオちゃんが仲間になったのは大きい……それこそ何とか金属鉱石をもう少し回収してこの子のサドルさえ作れれば今度こそ安全かつ大胆に遠征できるようになるだろう。

 まあ問題はせっかく見つけた金属鉱石の塊の傍にあの厄介なゴーレムがいる点なのだが……あそこで拾った犠牲者の鉱石からしても、恐らくこの人もあのゴーレムにやられて……というかひょっとしてこの人があのゴーレムをあそこまで連れてきたのでは?

 どこかであのゴーレムに追われて、人の足で逃げたせいで中々振り切れずにいるうちに足などをやられて逃げる速度が落ちた結果、あの場所でやられて……いや憶測にすぎないのだが、もしそうだとすれば本来のゴーレムが沸く場所は別のところということになる。

 

 流石にこの生まれたばかりの人間が集まる場所に、あの巨体かつ大岩を投げ飛ばす怪力&恐らく鉱物でできていて打たれ強い身体をしている生き物がいるのはおかしすぎると思っていたが、これなら辻褄があう気がした。

 一応この箱舟は何かの目的があって人間を育てようとしているみたいなのだから……あんな奴が最初のところに普通に湧いていたら、それこそ誰一人としてこの砂漠を乗り越えられないではないか。

 前の島にもあいつに匹敵しそうな脅威であるギガノトがいたが、そいつにしても島の奥にしかない山という成長した後でしか足を踏み入れられない場所にしか生息していなかったのだ。

 

 だからきっとこの推測が正しいような気がする……だとすればあの個体さえどうにかしてしまえば、とりあえずこの近辺の安全は確保できるし金属鉱石も回収できるようになるだろう。

 もちろん後で本当に他のゴーレムが近くにいないか調べる必要はあるけれど、とにかく当面の目的はあのゴーレムをどうにかすることでいいだろう。

 ……ただ問題は時間制限……余り一か所に長居すると野生動物が群れなして襲ってくる可能性が高いことだ。

 

 どうにか早いところ頑張って方法を考えないとなぁ……それこそあいつが普通の動物なら出血させられるコレオちゃんみたいな動物を集めて出血死を狙うのも手だったんだけど、あの砂と岩の塊みたいな身体では効果が薄いだろうし……どうしたものか?

 

五十五頁目

 

 何だか物凄い既視感を感じる。

 戻ってきた拠点の防壁に狼が群がっていて、不思議に思いながらとりあえず一匹だけ仲間にして残りは退治して素材を剥いでから住居に向かった。

 すると何故か扉が閉ざされていて開かなくなっていて、少し首を傾げつつ扉を叩き壊して中に入ってみたらベッドの上にある毛布が膨らんでいるではないか。

 

 しかも何か小刻みに揺れていて……思わず俺は右手首にあるフローラの鉱石を見つめてしまう。

 果たして浮かび上がった彼女のホログラムも何かを思い出しているようで、何とも言えない心配そうな表情で俺を見つめている。

 ……だからと言っていつまでもこんな状態でいるわけにもいかず、俺は息を飲みながら恐る恐るベッドに近づいていき……毛布をはぎ取った。

 

「や、やめろぉっ!! わ、私を誰だと思っているっ!!?」

 

 思った通りそこに居たのは脅えて震える裸の美少女……ではなく、裸の成人男性であった。

 ……何だか思い出が汚されたような気がしてちょっとショックを受けるのは流石に失礼だっただろうか……痛っ!? 違うよフローラ、別に裸の女の人じゃなかったから残念に思ってるわけじゃ……ほ、本当だってばぁっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なぜ私がARK(箱舟)側なのだっ!?」「ジェネシス計画はどうしたっ!?」「聞いているのかユマっ!? いやトランスヒューマン共ぉっ!!」「誰でもいいからどうなっているのか説明しろぉおおおっ!!」

「っ!!?」




今回名前が出た動物

リマントリア(モスラ)
ユタラプトル
ティラコレオ(コレオちゃん)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ギガノトサウルス
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