ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第447話

六十二頁目

 

 気分が悪くなりそうなのでこの考察は一旦止めておくことにした……が、頭の片隅には留めて置き人探しは前の島より念入りかつ頻繁に行うようにしようと心に決める。

 まあそれはそれとして、今のところはやっぱり人影は見当たらないので動物の捕獲を優先することにした。

 すると運よくというべきか、近いところにモスラの同種が舞い降りてきたではないか。

 

 飛行生物は予備も含めて多い方がいい……それこそ一応ハンスさんもいることだし、非常時を思えば彼の分の乗り物も確保しておくべきだろう。

 そう思って早速そこへ向かおうとした、ところで反対側から強く眩しい光が差し込めてきて一瞬目がくらんでしまった。

 いったい何が起きたのかと振り返って目を手で覆いながら必死で光源を確認すると、そこには落ちてきた太陽の光をチカチカ反射させている眩いボディの恐竜がいた。

 

 ……あの輝きは見覚えがある……そしてそれとは別にあの独特のフォルムにも……しかしあれは間違いなく初めて見る生き物、いや機械というべきだろうか……メカパラサウロロフスだ。

 

六十三頁目

 

 前にメカステゴを見ていたこともあって驚きはそこまででもなかったが、代わりに飛行生物とどちらを仲間にするか悩んでしまう。

 メカ生物も普通に仲間にできることは前の島の事例でわかっている……同時にメカ個体が物凄くレアであることもだ。

 そしてパロロ君の同種の能力はサバイバルするうえで便利なのも事実であるが、飛行能力が貴重なのも変わりない。

 

 ただパロロ君は草食の中でもかなり弱い方であり、メカ個体も強さはそこまで変わらないであろうことを思えば早めに確保しなければ肉食が多いこの土地ではあっさりやられてしまうだろう。

 かといって飛行生物の方は襲われても空に逃げれはするけれど、逆に言えば一度飛び立つとそのまま補足できないところまで移動してしまうのだ。

 せめて同じ場所にいれば同時に捕獲を試みることもできるが、残念ながら拠点を挟んで真逆の場所にそれぞれ位置している始末だ。

 

 ……ハンスさんが動けるのならば彼に頼んで……いや、仮に冷静さを取り戻していたとしてもいきなり一人でこんな肉食だらけの場所で捕獲を行うのは無理だろうなぁ。

 

六十四頁目

 

 物凄く悩んだが、結局俺はメカパロロ君を仲間にすることを選んだ。

 何せモスラは通常個体だし間違いなくまた出会えるはずだが、メカ個体は本当に貴重でもう二度と会えなくても不思議ではないのだから。

 それにパロロ君の周囲の動物を炙り出せるレーダーとしての能力も安全を確保する上で大切ではあるし、何より多くの人間がやってきているかもしれないこの場所では彼らを見つけ出す手段としても利用できるかもしれないのだ。

 

 だから泣く泣くモスラの同種は諦めて、俺は狼二匹を追従させるとモレちゃんに騎乗して早速メカパロロ君の元へと向かった。

 そしてボーラを当てて動きを拘束した上で麻痺矢で眠らせ、紫の果実を食べさせることであっさり仲間にすることに成功する。

 後は安全な拠点内に連れ戻ってからサドルをつけてやればいい……そう思って帰り始めようとしたところで、早速ラプトルとサーベルタイガーが襲い掛かってきた。

 

 もし俺が来るのが一歩遅れていたら間違いなくメカパロロ君はこいつらにやられていただろう……やっぱりまっすぐこちらに向かって正解だったようだ。




今回名前が出た動物

リマントリア(モスラ)
TEKパラサウロロフス(メカパロロ君)
ダイアウルフ(狼)
モレラトプス(モレちゃん)
ユタラプトル
サーベルタイガー
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