八十三頁目
お、おかしいぞ……普通仲間が増えたら作業量は減るはずではないのかっ!?
なんでこんなにも忙しい、というよりもやることが多いんだよっ!!
襲ってくる豚やサーベルタイガーへの対処はまあ仕方がない。
だけどその度に過剰な反応を示すハンスさんと自らの身を捧げようと歩き出す少女の二人ともに気を配らなければいけないのが非常にきつい。
しかもだんだん太陽の日差しが強くなってくるから、その前に煉瓦で拠点を作らなければいけないのだから更に大変だ。
それなのにハンスさんはワニに襲われないよう護衛しろだとかメカパロロ君を解体しろとか喚くばかりで全く拠点作りに協力しようともしてくれない。
もちろん例の少女もニコニコ笑ったまま俺のやることをぼんやりと眺めながら首をかしげるばかりだ。
尤も少女の方は手を貸してと頼めば建材が倒れない程度に抑えておくぐらいはしてくれるが、動物を見かけるなりパッと手を放してしまうから余計に危ない。
はぁぁ……勘弁してくれぇ……フローラぁ、オウ・ホウさぁん、メアリー、マァ……誰でもいいから俺を助けてくれぇ……
八十四頁目
我ながら頑張ったと思う。
あまり協力的でない二人を抱えながら昼前までに、何とかレンガ造りの住居とそれを囲むように石の防壁の配置、そして防壁の内側に池から石のパイプを通じて水を引き込む水道まで完成させたのだ。
ちなみにこの水は普通に飲めることが判明している……この点においてはハンスさんの呟きと、喉が渇いたらしい少女が平然と口につけたお陰で理解できたことだ。
だけどそれ以外は俺一人で……ほ、本当に疲れたよ徹夜明けの頭で……だから僕、ちょっとぐらい休みたいのにハンスさんがうるさいよぉ……。
もういっそのこと麻酔矢で打って眠らせてしまいたいと何度思ったことか。
……まあ少し我慢していたら散々騒いでいた上に慣れない動物を動かしていた疲労もあってか、勝手に俺の作ったベッドにもぐりこんで休み始めたから良いのだけれど。
もしくは純粋に昼時という尤も太陽が強くなる時間帯からくる強すぎる熱気を受けて、流石に外での活動を控えようと思ったのかもしれない。
それに対して砂漠の素材で作り上げた煉瓦の住居内は、藁の家とは比べ物にならないほど快適であり、こんな熱気の中でも心地よい気温に保ってくれていて俺など今すぐにでも寝落ちしたいほどであった。
果たして例の少女も外での活動で疲れていたのか、或いは外の暑すぎる温度で体力を奪われた結果か、これまた新しく作った俺のベッドですやすや休み始めていた……しかもお世話係と思い込んでいる俺の服の袖を握ったまま。
このままでは眠れないと、思わず助けを求めるかのように右手首の鉱石に視線を向けてみると、浮かび上がったフローラのホログラムはそのまま寝たらいいよというかのような仕草をして見せた。
普段のフローラなら幼いとはいえ異性と共に寝ようものなら嫉妬しそうなものだが、流石に頑張りすぎた俺を労わってくれているのだろう。
……もう眠くて仕方ない上に新しくベッドを作る気力も無いし、ありがたくこのまま横にならせてもらうとしよう。
今回名前が出た動物
ダエオドン(豚)
サーベルタイガー
カプロスクス(ワニ)
TEKパラサウロロフス(メカパロロ君)