百五十三頁目
ようやくこの厄介な木々のある森を抜けてみると、目の前に小さい川が広がっていた。
尤もテラ君ならば簡単に飛び越えられるのだが、その川でスピノが暴れているのが非常に目立つ。
万が一にもここに落下しないよう慎重にスタミナを管理して飛び越えたところで、今度は火山の山肌が目に飛び込んできた。
その斜面にはステゴサウルスやアンキロサウルスが歩き、さらにそれを狙って大きな蠍がウロウロしている。
新しく図鑑で見慣れた恐竜を目の当たりにしたが、もうそこまで興奮は……尻尾の棘やハンマーで蠍を撃退してる生の姿はやっぱりちょっと見てて楽しい。
だからスタミナの回復を兼ねて、近くの出っ張る斜面に着地して眺めていたところで……凄まじい咆哮が聞こえた。
慌てて振り返った俺は、多分世界で一番有名であろう恐竜の壮大な姿を目の当たりにした。
その恐竜の名前はもちろん……ティラノサウルス・レックスっ!!
余りの迫力に思わず感動して見とれてしまう、そしてそいつが力強い歩みで争っている恐竜と蠍の元へ向かい一緒くたにかみ砕く様も恐ろしく凶悪ながらも格好良いと思ってしまう。
やっぱり新しい恐竜を見るのは最高です……けどティラノ君の目がこっちに向いたからさあ大変。
とりあえず空へと飛びあがり、彼が付いてこれないぐらいの急斜面に逃げ込もう。
ああ、だけどやっぱりティラノは良いなぁ……いつか絶対に仲間にしたいものだ。
百五十四頁目
未だ生のティラノサウルスを拝んだ興奮の冷めやらないまま、火山を上り煙の上がる頂上へと昇っていく。
すると噴火口の内部でぐつぐつに煮えたぎっているマグマの周りに、光を反射する無数の輝きを確認する。
少し前に拠点にした山にあったような金属鉱石や水晶の塊、そして逆に光を吸収する鈍く黒い塊もある……これは黒曜石という奴だろうか?
新しく見つけた素材に興味があって、火口内に着陸できる場所がないかと少し高度を落としていったところでそれを見つけた。
オベリスクのところで見たのと同じような装置と、火山の壁に埋め込まれるように配置されている巨大な扉。
まさかと思いその装置の上に着陸して早速細かい調査を始めると、その扉には俺の左手に埋め込まれている鉱石にも似た縦長のひし形をした印が刻み込まれている。
そして操作盤にはやはりオベリスクの真下にあった装置と同じく、何かの生き物のような形をした穴が三つ開いている。
そのうちの一つは角が生えた何かの生き物の頭部で、あの赤いオベリスクに浮かび上がったホログラムのドラゴンの頭部に見えなくもない。
どう見てもあの三つのオベリスクと同じテクノロジーが使われているここは、間違いなく何かしらの関連があると思う。
ここに埋め込む穴が三つ、そしてオベリスクも三つ……また埋め込む穴の形状があのホログラムの生物に似ている事実はひょっとして……いや、この先の推論は残りのオベリスクを調べてからにしよう。
【今回名前が出た動物】
プテラノドン(テラ君)
スピノサウルス
ステゴサウルス
アンキロサウルス
プルモノスコルピウス(大きな蠍)
ティラノサウルス