九十二頁目
例の少女から目を離すわけにもいかず、いつものように狼に跨らせたまま一緒に行動することにした。
ただこの狼はサドルなしでも簡単に跨れる分、いつでも降りれてしまうため少女がすぐ降りてしまうのは問題だ。
かといって狼と違って他の背が高い生き物に乗せて、万一にもこの少女が落ちて怪我をしてしまっても困る。
……本当はこの子も拠点の中で待機していて欲しいのだけれど、やっぱり目を離した隙にフラフラと外へ出て動物に身を投げ出されたらと思うとそういうわけにもいかない。
この点に関してだけはハンスさんはまだ自分の身を防衛しようとする分だけマシなのだが……どちらも問題児であることは変わりないが、とにかくこの子に関してももう少し安全を確保できる方法が欲しいものだ。
それこそ新しい生存者とでも合流出来て、その人がこの子を任せるにふさわしい良い相手であってくれれば最高なのだがそう上手くいくだろうか?
或いは動物でもいいのだけれど……まあ流石にそんな都合のいい生き物はいない……いや、なんか居たような気がしないでも……?
九十三頁目
高品質の弓矢が手に入ったことで、動物への対応力が格段に向上した。
何せ普通に退治する際はもちろんのこと、麻酔矢も相手の身体に深々と刺さるためにその効果をより強く伝えてくれるようになったのだ。
お陰で動物の捕獲が更に楽になり、こちらを襲おうと群れで防壁に食らいついていたサーベルタイガーと豚を一匹ずつだがあっさり仲間にできてしまう。
……本当は防壁の外まで追いかければ逃げようとする個体も仲間にできたのだが、やっぱり例の少女が危なそうで追いかけるのは諦めたのだ。
やっぱりどうにかしてこの子の安全を確保する方法を見つけなければ、採取や動物の駆除はともかく捕獲活動は中々厳しいかもしれない。
そう思ってとりあえずこの後は採取だけメインに行おうと思い、一旦モスラに乗り換えて空へと浮かび上がり周辺を確認したところ二つほど気になるものが目に飛び込んできた。
そのうちの一つはキラキラと見覚えのある輝きを放つ岩のような塊……まさかこんなところにも金属鉱石の塊があっただなんて……。
そしてもう一つは、少し離れたところをぴょんぴょん飛び跳ねながら移動する動物……前の島では希少過ぎてめったにお目にかかれなかった巨大カンガルーだ。
……そうだっ!! あのカンガルーは確かお腹の袋が人間一人収まるぐらい大きかったはずっ!!
あの中にこの少女を収めた状態で追従してもらえば簡単には出てこなそうだし、カンガルーの機動力なら逃走も簡単だろう……つまり少女の身の安全がかなり確保されるのではないか?
今回名前が出た動物
ダイアウルフ(狼)
サーベルタイガー
ダエオドン(豚)
プロコプトドン(カンガルー)