百九頁目
そこまで話したところで外から聞こえてくる物音が静かになり、顔を出してみれば砂嵐は収まってすっかり空は晴れ渡っていた。
これならまた野外活動ができそうだ……どうせ聞きたいことは一通り聞いたし、ハンスさんとはもういつでも話ができるのだ。
だからまた気になることができたり聞き忘れていることを思い出したらその時点で聞いてみればいいし、今は野外活動をメインに行うことにした。
俺の提案にハンスさんも頷いてくれて、その上でまたワニに襲われたら困るから護衛の動物を捕獲してほしいと言い、何なら自分も手伝うからと口にして立ち上がり……かけたところで共に立ち上がった少女の存在に俺と同時に気づくハンスさん。
……どうやらお世話係である俺に付いてくるつもりのようだが、できれば彼女には家で大人しくしていて欲しいところだ。
そんな俺の気持ちに気づいてハンスさんが何なら自分が面倒を見ておこうかと言ってくれるが、彼が話しかけても少女は不思議そうに首をかしげて彼を見るばかりだった。
……この調子だとこの少女はお世話係である俺から離れそうもないし、俺の言うこと以外は聞いてくれなそうだなぁ。
百十頁目
仕方ないのでとりあえず三人で行動しようと外に出て、前と同じように……と思ったがそこで俺が乗っていたメカパロロ君はもういないことを思い出した。
代わりにサーベルタイガーと豚が仲間になってはいるが、こいつらは金属のインゴットが不足していて作れないサドル無しでは乗ることができない……かといって耐久力という面で不安が残る狼に乗って移動するのもどうかと思う。
それこそできれば狼とコレオちゃんは攻撃役として前面に立ってもらい、俺達は後ろでどっしり構えている形を取りたいのだけれど……そう思って今拠点内にいる動物を見回す俺。
そしてすぐにハンスさんがモスラに乗れたら色々と楽になるのではと思いつく。
弓矢は愚か動物の扱いも上手くはない彼にモレちゃんを渡すより、俺がモレちゃんに乗って高いところから指示を出しながら弓矢を打つのが効率的だし、ハンスさんには飛行能力を生かして安全を確保しつつ斥候などに徹してもらえればありがたい限りだ。
そう思って早速ハンスさんに提案してみるが、彼は頷いてくれはしたがガチガチに緊張した様子でモスラに跨り……ほんのわずかに飛び上がったところで怯えたような悲鳴を上げて慌てて着陸させてしまう。
……まあ陸上生物のモレちゃんでもあれだけ手こずっていたんだからそりゃあ飛行生物なんか余計に……だけど乗れるようになっておいて欲しいのも事実だし、取りあえず今回はハンスさんには拠点に残って貰ってモスラに乗れるよう練習してもらっておくとしよう。
今回名前が出た動物
カプロスクス(ワニ)
TEKパラサウロロフス(メカパロロ君)
サーベルタイガー
ダエオドン(豚)
ティラコレオ(コレオちゃん)
リマントリア(モスラ)
モレラトプス(モレちゃん)