百十一頁目
必死にモスラを操ろうとするハンスさんに拠点から出ないよう何度念押ししてから、俺はモレちゃんに乗るとウルッフCに少女を載せて、豚と共に傍から離れず付いてくるよう指示を出した。
その上でサーベルタイガー……サーベル君とコレオちゃんに残るウルッフABに少し前を進むよう指示を出してから俺は防壁の外へと踏み出した。
とりあえず最初の目標は昨日見かけたカンガルーだ……あいつさえ仲間にできれば狼に乗せるよりずっと安全に少女と活動を共にできるようになる。
実際にハンスさんの前にモスラに乗って空から確認したところ、運よくまだ生き残っていたあのカンガルーが同じ場所をうろついていたのだ……このチャンスを逃す手はない。
そう思ってとにかく他の肉食に襲われる前にと急いで向かったお陰でちょうど刺トカゲがカンガルーに襲い掛かろうとしている場面に間に合うことができた。
……そういえばこいつはまだ仲間にしたことがなかった……昨日も十分麻酔矢を補充できたし何よりこっちには高品質の弓矢がある……この刺トカゲもついでに仲間にしておくことにしよう。
だからさっそく弓矢を向けたところで狼から降りた少女がまた話しかけてきた……まあ今回は襲ってくる肉食が一体だから問題なく対処できそうだけど、やっぱりこのままじゃ不味いよなぁ?
百十二頁目
仲間にできた刺トカゲは遠くに針を飛ばすことで遠距離攻撃ができる……だから戦力としてかなり強いのではと期待していたが、どうもこの針は非常に貧弱らしくて余り使い勝手がよくなさそうであった。
しかし他の使い道があるとも思えないのだが、一応この砂漠固有の種類みたいだしきっと調べてみれば他に使えそうな特徴があると信じたいところだ。
それに対して前の島では希少過ぎたカンガルーだが、どうもこの砂漠にはありふれているようで捕獲している最中に別の個体が遠くの方で飛び跳ねているのに気が付いた。
まあそっちはラプトルの群れに襲われて倒されてしまったが、先に見つけた個体の方は問題なく眠らせることができたし、例の希少なキノコを食べさせることでちゃんと仲間にすることもできた。
そして当初の思惑通り、この袋の中に少女を入れてみたところ背丈が小さいこともあり頭が少し出るぐらいまですっぽりと収まってしまう。
もちろんこの状況を少女本人は特に気にした様子もなく……むしろ袋に納まっている状態に居心地の良さでも感じているのか、どこかいつもよりご機嫌な様子でニコニコしているような気さえした。
おまけにちょうどいいタイミングで先ほど遠くで別固体のカンガルーを倒したラプトルの群れがこっちに向かってきたが、少女は話しかけてこそ来たがカンガルーの袋から出れないようで降りて近づいてくることはなかった。
……これでようやく少女にそこまで意識を割かずに野外活動に専念できそうだ……また関係ないけど袋からチロチロ顔をのぞかせている幼い少女の姿はが何とも言えずに可愛らしくて心も癒される。
ハンスさんもまともになってくれたことだし、なんだかすごく楽になった気がする……生き返る心境とはこのことか……幸せだなぁ……。
今回名前が出た動物
リマントリア(モスラ)
ダイアウルフ(ウルッフ)
サーベルタイガー
ティラコレオ(コレオちゃん)
プロコプトドン(カンガルー)
モロクトカゲ(刺トカゲ)
ユタラプトル