ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第472話

百十三頁目

 

 近づいてきたラプトルを片っ端から高品質の弓で放つ麻痺矢で射抜いてやると、やはりより深く矢が身肉に突き刺さるためにか麻酔の効果も劇的に上がってくれた。

 お陰で簡単に昏倒させることができたので、三匹とも一度に仲間にすることができた。

 少女がカンガルーに収まったことでウルッフ達も三匹とも自由に行動できるようになったことだし、ラプトルと合わせて六匹もいればハンスさんの護衛には十分すぎるだろう。

 

 そう思って一旦拠点に戻ったところ、ヘロヘロな様子で乗り物酔いしたかのように青い顔でゼイゼイ喘いでいるハンスさんが力なくお出迎えしてくれた。

 ……どうやらこの調子ではまだまだハンスさんが自在に飛行できるようになる日は遠そうだ。

 そんな彼にとりあえずウルッフ達とラプトル三匹を護衛代わりに連れまわしていいと言った上で、またワニに飛びつかれた際の護身用にと、オベリスクから取り戻した例の微妙に品質の良い鉄の槍を渡しておいた。

 

 これで彼一人でもオベリスクを弄って戻ってくるぐらいは安全にできるだろう、と思ったがふとそこで下手にオベリスクを弄ったら防衛システムのような反応があるんじゃないかとの疑問が浮かんだ。

 実際に前にオベリスクを弄った際にハンスさんは肉食に連続で襲われていた……まあ多分偶然だとは思うけど、念のためハンスさんに聞いてみるとやっぱり彼もただの偶然だろうと言う。

 それこそオベリスクのシステムの根幹にアクセスしてそのエネルギーを他のことに流用しようとしたり、或いはオベリスクそのものを爆破しようとしたら防衛に肉食の動物が放たれることはなくはないらしいが、少なくともハンスさんはそうならない範囲で弄るつもりだから気にしなくていいという。

 

 その上で分業した方が効率は良いのだからと、自分の身は自分で守るとばかりに頷いて俺に護衛としてついてこなくていいと言ってくれるのだ。

 ……本当に初めて会った時の厄介さはどこへ行ったのか、ありがたい限りだしお言葉に甘えてこっちはこっちで活動を続けるとしよう。

 

百十四頁目

 

 ハンスさんと別れてモレちゃんに跨ったままの俺は今度はコレオちゃんとサーベル君、そして豚を連れた状態でカンガルーに乗った少女と傷が癒えてきたアンキロをお供に近くにある金属鉱石の塊を目指した。

 そしてまずは石の矢でもって周辺にある岩を片っ端から打ち抜いていき、ゴーレムらしい反応がないかを確かめていく。

 流石にカンガルーに乗っているとはいえこの危険な少女を連れたままあいつと戦うわけにはいかないからだが、果たして今回は特に動く岩の塊は存在しなかった。

 

 その事実にほっと胸を撫で下ろしながら、ついでアンキロ君に金属鉱石を砕いて採取してもらう。

 これでようやく安定して金属鉱石が手に入るようになったわけで、また文明開化に向けて一歩前進したと言える。

 

 ……だけど前の島では一か所に幾つもの塊が点在していたのだが、パッと見まわした感じではこれ一つしか見当たらない。

 或いはあの時の様に山などに向かえば同じように沢山金属鉱石の塊があるのかもしれないが……とにかくこれでは採取できる量があのころに比べたら天と地だ。

 

 まあ時間を置けばまた復活するだろうから、これはこまめにここへ通う必要がありそうだなぁ。




今回名前が出た動物

ユタラプトル
プロコプトドン(カンガルー)
ダイアウルフ(ウルッフ)
カプロスクス(ワニ)
ティラコレオ(コレオちゃん)
サーベルタイガー
ダエオドン(豚)
アンキロサウルス(アンキロ君)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
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