百十五頁目
ちょうど金属鉱石を回収し終えて拠点戻ったところで昼間になりかけているようで、真上で上がった太陽の日差しが肌を焼くほど暑く感じられるようになってきた。
お陰で汗も大量にかいてしまうけれど、もう水を無尽蔵に使える現状では水浴びだってできるから特に気にならない……はずだった。
……ま、まさかカンガルーの袋の中で蒸されるような形だったためか、拠点に戻って外へ出してあげた途端にあの少女が汗でビショビショの服を脱がせてもらいたがるなんて……うぅ、お陰で久しぶりに右手首が痛くなったよぉ……仕方ないじゃないか汗で張り付いてるせいで見ながらじゃないと上手く脱がせられないんだからさぁ……ぐすん。
と、ともかく少女専用のシャワールームを作った方がいいと判断して、製錬炉に回収した金属鉱石を投げ入れた後で早速作った……ところでトイレも作っておくべきだと今更ながらに気が付いた。
……ハンスさんと合流するまではずっと野外でしては砂漠の砂で隠していたけど、流石に女の子にそういう真似をさせるわけには……ただ水晶がないとこればっかりは上手くできないし、どうしたものか?
まあ少女はあのエレメント水以外は果実を少し口に入れてるだけのようだし、まだもう少しは大丈夫だと思うけど……早めに水晶を探しに行った方がいいのかもしれないなぁ。
百十六頁目
せっかく専用のシャワールームを作ったのに一人では水浴びできなそうな少女のために、結局俺は右手首の痛みを抑えつつ目をつぶった状態で手を貸す羽目になった。
ほ、本当に大変だった……けどフローラの与える痛みはそこまでじゃなかった気が……本当は仕方がないってわかってるから手加減してくれたのだろう。
それでも嫉妬を抑えられない辺りが彼女らしいというか……むしろそれだけ想われている事実に嬉しくなるのだから俺も案外どうしようもない男なのかもしれない。
そんなことを考えながら暑さで疲労したらしい少女をベッドに横たわらせて眠るところまで観察した後で、ハンスさんが気になり住居から顔を出してオベリスクの方を眺めてみた。
するとハンスさんも暑さに耐えかねたようであったが、こちらは池の中にダイブして涼しんでから再びオベリスクに向かうことを繰り返していた。
……少しぐらい休憩してもいいと思うんだけど……意外と彼も真面目なのか、それとも今まで面倒をかけた分、少しでも力になろうと頑張っているのかもしれない。
ありがたい限りだけれど無理しすぎて倒れられては本末転倒だし、取りあえず戻ってくるよう大声で伝えて……あっ!? 今度は狼がワニに襲われて池の中に引きずり込まれた……でもまあ、ちょうどいいからあのワニも仲間にできるか試してみるとしよう。
今回名前が出た動物
プロコプトドン(カンガルー)
ダイアウルフ(狼)
カプロスクス(ワニ)