百三十一頁目
改めて再会したオウ・ホウさんにドラゴンの時のことを謝罪すると、彼はまだこうして生きているのだから気にしなくていいと言ってくれた。
どうやらオウ・ホウさんの死生観的には意識の連続性が保たれていれば死んでいないという判定のようだ。
だから鉱石の間も意識があったこともあってか、再び動けるようにしてくれたことを治療の一環だとすら捉えているようであった。
もちろん身体を取り戻せるならそれに越したことはないが、現状はこの状態でできる限り俺達に協力してくれるというオウ・ホウさん。
ちなみに彼もこれまで俺と共に色々見てきたこともあり、またアップロードされている最中にあの『待つ者』と僅かに会話を交わしたこともあってか、流石に元の時代に戻れないことは察しているようだ。
……それでも自分が完璧に生き返るためでもあるとはいえ、色々お世話になった俺とフローラのために手を貸してくれるというオウ・ホウさん……俺の方が遥かに迷惑を掛けてしまっているというのに、本当に頭が上がらない。
ありがたい申し出に嬉しい限りだが、問題は……このドローン機能ぐらいしか付いていなさそうなガイドロボットのボディでできることが限られていそうな点ぐらいだろう。
しかもハンスさん曰く、ガイドロボットという性質上どうしても人間の傍からあまり遠くまで離れることはできないらしい。
……協力したいと言ってくれているオウ・ホウさんの気持ちを無下にしたくはないし、何かやってほしいことを考えてみないとな。
百三十二頁目
本格的に運が向いてきたようだ。
動き出したオウ・ホウさんは機械の身体でキラキラしている上に、羽もないのに空を浮遊している……その姿を見て例の少女は妖精のような神の使いか何かだと思い込んだようだ。
お陰で俺だけでなくオウ・ホウさんの言うことにも素直に従ってくれるようになったので、彼にこの少女の面倒を任せられるようになった。
これで俺は同行者の身の安全を気にせず一人でもう少し大胆に行動できるようになりそうだ。
尤もちょうど周囲が暗くなってきているので、外での活動は次の日にするとして今のところはまたクラフト作業に専念した方がいいだろう。
だから皆で拠点へと戻ると、それぞれ分担してできることをこなし始めていく。
例の少女はオウ・ホウさんに指示されてすり鉢で麻酔薬を作るだけ作っては、そのうちの半分を調理なべでメディカルブリューにするところまで一人で作業してくれている。
ハンスさんは別のすり鉢でもって発火粉やセメントを作り、ついで照明銃や残る麻酔薬で麻酔矢の予備を常備してくれていた。
お陰で俺は金属鉱石を溶かしたり、そうして固めたインゴットをもって作業机に向かっての作業に専念できてしまう。
……ああ、普通に協力し合えるとこんなにも効率が上がるんだなぁ……これなら夜遅くまで作業しないでちゃんと休息をとる余裕ができそうだ。
今回名前が出た動物
ドラゴン