百三十五頁目
結局少女のことはルゥちゃんと呼ぶようになった。
他にもミラやリラといった名前候補を考えて当の本人にさりげなく伝えてみたのだが、向こうは理解しているのかどうかわからない様子ではあったが最終的にルゥという響きが気に入ったようで自ら何度も口ずさんでいたのだ。
また実際に俺達が呼んでみたところ、少し時間はかかったが自分を呼んでいると理解して反応してくれるようになった。
……本当にこんな名前の付け方でいいのか悩むところではあるが、 見た目的に日本人には見えないのに日本的な名前を付けるのもどうかと思うし、だからと言ってもっといい名前が思い浮かぶはずもない。
まあこれに関しては今後この少女が成長した際に気にするようになったら改めて考えることにしよう。
……フローラが言葉をしゃべれるようなら彼女と相談して考えたいところだったんだけどなぁ。
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オウ・ホウさんのお陰で睡眠もルゥちゃんと別の場所で取れるようになり、俺はもう少しだけ夜更かしできるようになった。
ただ三人でそれぞれ効率的に動いたこともあり、結局余り遅くまで作業する必要もなくて早めに眠りにつくことができた。
お陰でしっかり睡眠をとった上で早い段階で目を覚ますことができた上に、寝床から出る際に離れた場所で横になっている少女を起こす心配もなかった。
ここのところずっとあの少女が後ろをついて回っていたから開放的な心境、とまではいわないがこれで安心して野外作業を行える。
そう思って早速外へ出ようとして、その前にミッキーの様子を確認しておくことにした。
外で活動中にまたあの砂嵐が起こったらシャレにならないからだが、今のところは落ち着いている様子だしこれなら外に出ても大丈夫だろう。
しかしそこで今更ながらに、遠出するにはあの砂嵐についての対策も考えないといけないことに気づく。
この子の様子を見ていれば前兆を把握することはできるだろうが余り長時間の活動となると……とそこでふとサイズからして某アニメ映画で見たように肩に乗せれるのではと思う。
実際に試してみると前の島にいたカワウソのように身体に落ちないようにしがみついてくれて、こちらの作業を阻害されることもなく連れ歩くことができそうだった。
……可愛いし実用的な能力もあるし、これは沢山捕獲しておいた方がよさそうだな。
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ミッキーを肩に乗せたまま、まだ日が顔を出したばかりで温度の上がりきらない砂漠をコレオちゃんと、昨日捕獲したばかりであるその同種であるレオ君を引き連れて移動し始める俺。
昨夜のうちに既に捕まえている動物全てのサドルは制作しておいたこともあり、もうその背中に乗ることで高低差を無視してある程度自由に駆け回れるようになったからだ。
もちろん飛行生物の方が移動力自体は高いけれど、戦闘力との兼ね備えを考えれば余程遠出しない限りはこの二匹で活動するのがベストだと考えたのだ。
果たして思った通りこいつの爪は鋭く敵を出血させられる上に雄雌で揃っていてお互いに異性に良いところを見せようと頑張るために戦闘力が向上しているため、もはやほぼ敵なし状態だった。
しかも垂直な壁であってもその鋭い爪を突き立てることで強引に登れてしまうので、これ以上ないほどに移動が楽になってくれた。
お陰でオベリスクの近辺をさらに詳細に探れるようになり、その際に色々と心理的な余裕もできてきたためか今まで見落としていた素材を見つけることができた。
ただの石の塊に似ているそれは何だか妙に周りの意思と比べて白く思えて、何気なくピッケルで叩いてみたらサラサラとしたどこかで見たことのある粒々が採取できたのだ。
これが何なのかはわからないがとりあえず何かに使えそうだし後で持ち帰って調べてみるとしよう。
また段差を乗り越えられるようになったことで、空を飛行するモスラの同種がどこへ降り立っても再び飛び上がる前に襲い掛かることで絹もかなり効率的に集められるようになった。
この絹で例の砂漠用の防具さえ作れれば今までは拠点に戻って休むしかなかった真昼間の時間帯も野外にいたままぶっ続けで活動できるようになるだろう。
……まあ頭の装備だけは水晶が無ければ仕方がないが一か所分ぐらいの熱は何とか耐えられるだろうし、とにかくその防具の完成を目途に……できれば移動拠点も完成させてしまたいがとにかくそのタイミングで大々的な遠征を開始するとしよう。
今回名前が出た動物
トビネズミ(ミッキー)
カワウソ
ティラコレオ(コレオちゃん・レオ君)
リマントリア(モスラ)