ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第487話

百四十六頁目

 

 思った通り石の建材で作った建物は昼間こそ暑苦しいが、夜になると一転して程よい温度になってくれた。

 これなら真夜中の暗い時間を過ごすための簡易宿としては十分役に立ってくれそうだ。

 またこうして暑すぎる建物も夜という時間帯なら役に立つ事実に、俺はふと手元にある素材の中で倒したカンガルーや狼などから採取した毛皮を取り出してみた。

 

 ……これらの数さえそろえば、オベリスクから回収した壊れた毛皮装備一式の修理はできなくはない。

 あれは前の島で手に入れた最高級の設計図を基に大量の素材を惜しむこともなくつぎ込んだまさに至高の一品とも言えるもので、その防御力は下手な鉄装備よりずっと固いほどだ。

 尤も高品質すぎるせいで熱が籠りまくるためこんな砂漠だと日が出ているときに使ったら即座に熱中症で昏倒してしまうだろう。

 

 ただ逆に言えば暑ささえ何とかなるのならば……それこそ別の涼しくなる装備と兼ね合わせたり、或いは今のような涼しい夜中という時間帯なら使えなくはないかもしれない。

 恐らくあの毛皮装備一式ならば……管理者の化けたドラゴンを始めとした化け物との連戦からも俺の身を守り切ってくれたあの防御力なら、ゴーレムの岩投げを食らっても即死はしない程度にダメージを抑えてくれそうだ。

 そして死にさえしなければメディカルブリューで無理やり回復できるため、そう考えるとやっぱりあの防御力の高さは魅力的に思えてくる。

 

 まあ修理自体にもかなりの素材が必要となるから今すぐにというわけではないが、いずれは修理して利用方法を考えて見てもいいかもしれないなぁ。

 

百四十七頁目

 

 寝る前に何となく外の様子を確認しようと顔を出したところで、遠くの方から風に乗ってほんの微かに悲鳴のような声が聞こえた気がした。

 再確認しようと耳を澄ませてもそれ以降はもう何も聞こえなかったが……やっぱりこの砂漠には今も新しい人員を次々送り出されているのかもしれない。

 つまりは当初想像した通りオベリスクの近辺にいたときは人が現れる場所から遠すぎて悲鳴が聞こえなかっただけだけのようだ。

 

 ……助けようにもやっぱり今の時点ではどうしようもない。

 最初に作った拠点と違って悲鳴も遠すぎるから仮に照明銃を撃ち放っても何の意味もないだろうし……辛いけれど今は耐えるしかない。

 だから俺は胸が痛むのを抑えながら、あえて寝床に戻り目を閉じて明日に備えて眠ってしまうことにした。

 

 誰かが少しでも早くこの砂漠のボスというか管理者を倒してARKシステムを正常に戻せればすべて解決するのだ……そのためにも細かいことに気を取られて効率を下げるわけにはいかないのだから。




今回名前が出た動物

プロコプトドン(カンガルー)
ダイアウルフ(狼)
ドラゴン
ロックエレメンタル(ゴーレム)
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