百五十頁目
あの山は地獄だった……そりゃあゴーレムの一匹ぐらいは居てもおかしくないと思っていたけれど、まさかあんなに自生するかのようにあちこちに点在しているとは思わなかった。
壁をよじ登れる上にそこそこの機動力のあるコレオちゃんだったからこそ、向こうが投石する姿勢に入る前に無理やり振り切ることができたけれど、もし俺が鈍足なモスラで強引に探索に来ていたとしたら……空を飛べたとはいえ果たしてどうなっていたことか考えたくもない。
本当に無理をしなくて正解だったなぁ……しかしゴーレムに対して結構警戒していたつもりだったが、まさかこれほど大量に沸いてくるだなんて予想外過ぎた。
てっきり前の島で言うギガノト的なポジションだと思っていたから、一度に複数体同時に存在するとは思わなかった。
ただどうもあのゴーレム達は俺……というよりも人間が近づくまではずっと岩に擬態しているようで、野生の動物と争うような様子はなかった。
それこそギガノトは片っ端から目につく動物全てを食らいつくしていたのだが……ひょっとしてその辺の問題が個体数の差につながっていたような気がする。
勝手に暴れまわるギガノトが大量にいては幾らARKシステムとはいえ動物の生息数が一定以上減らないようにするのは難しいだろうから。
また今回大量のゴーレムに襲われてわかったのだが、あいつらの擬態している岩はよくよく観察すると周辺の岩とは色や形が違うように見える上に動作が遅いために擬態を解いて攻撃に移るまでにかなりの時間がかかるのだ。
つまり戦闘力という意味ではともかく、逃げようと思えば機動力さえ確保できていれば幾らでも逃げられるためギガノトとは脅威度では天と地ほどの差がある。
……だからっていくら山の上で資源が豊富な場所だからって、十匹近くもあちこちに湧くのを許すのは流石に悪意と殺意しか感じられなかった。
本当にARKシステムは俺達人間に経験を積ませて成長させようとしているのか……それともこの殺意全開な生き物の配置もやはりシステムの異常が原因なのだろうか?
そんなことを考えながら、俺は手元にある素材を使ってアルケン君の同種……確かアルゲンダヴィスという名前だった大鷲のサドルを作り続ける。
たった一匹だけだが、ちょうど空を飛んで逃げようとしたところを撃ち落としたらたまたまゴーレムを始めとした陸生成物が近づけない山の急斜面に落ちてそのまま眠りについてくれたおかげで何とか仲間にできたのだ。
生きた心地のしない虎穴とでも言うべき場所であったが、こいつの有用性を考えればリスクに対するリターンとしても申し分ないと言えるだろう。
後は水晶とかの素材も手に入っていれば言うことなしだったのだが流石にあの危険生物達の眼前で採取する勇気はなかった……でもまあ命を落とさずに済んだ上にこの子が仲間になってくれたのだからとりあえず今回の遠征は大成功だと思っておこう。
今回名前が出た動物
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ティラコレオ(コレオちゃん達)
リマントリア(モスラ)
ギガノトサウルス
アルゲンダヴィス