百五十五頁目
まだ捕獲したばかりだというのに俺は改めてアルケンαの優秀さを思い知らされてしまう。
休憩せずに一気に緑のカプセルまで飛んでいけた移動能力の高さは当然として、その傍に居たラプトルや刺トカゲを掴んで持ち上げることで殆ど抵抗されることなく一方的に倒せてしまう戦闘力に死肉を食い漁ることで怪我が高速で癒えていく体質……護衛役としてもそれなりに活躍できるとは本当に便利すぎる。
本当にこの子さえいればできることが増えるのは元より、俺達人間の生存率そのものも格段に上がってくるのは間違いない。
やっぱりあの山でこの子を仲間にできたのは有難すぎた。
できればもっともっと多くの個体を仲間にしたいところだが……まあそれはあのゴーレム対策を考えてからでないと厳しそうだ。
それこそこの目の前にある緑のカプセルから対抗手段になりうる何かが手に入れば最高なのだが……そう考えて手を伸ばしたが、やはりそう上手い話はなかったようだ。
何せ出てきたのはサドルと設計図だけであり、しかもどちらも同じ生き物に付けるための物のようであった。
設計図に書かれている名前から馬の一種であるエクウスという生き物のためのサドルであるとわかったが、しかし実物と設計図が同時に手に入っても手に余るばかりだ。
そう思って見比べてみると実物の方はほぼ原始的な構造の物と同程度であったが、設計図の方には高品質なサドルの作り方が記されているではないか。
どうせ装備させるのならばより質が良い方がいいに決まっているし、何より普通に鉱石を見て思いつく作り方で制作したサドルと変わらない実物を持って帰っても仕方がない。
まあ島にいた頃の様に粉砕機で素材の一部を回収できるなら話は違ったかもしれないが、今の時点ではこれを持ち帰っても余計な荷物になるだけだ。
……何より確か前の島にもこのエクウスとかいう生き物のサドルを作った記憶はあるが、生き物自体を利用した覚えは全くない。
余り有益な能力の生き物ではなかった、というよりももっと便利な生き物が他にいすぎたのが原因だろうが……とにかくそんな生き物のサドルの実物をわざわざ持ち歩いても仕方がない。
もし必要になっても設計図から高品質な物を作ればいいだけなのだから……そう思って俺は設計図だけを仕舞うと実物の方はその辺に投げ捨てると、改めてアルケンαに乗って大空へと飛び上がった。
そして周辺を見回してみて、少し南の方にある小高い岩山のような地形にも青いカプセルが下りてきていることに気づき早速そこへ向かっていくのだった。
「ハァハァ……先ほどの緑の光は確かこの辺りで……あっ!? こ、これは……馬のサドルっ!? このような人工物が落ちているということは……近くに人がいるのデスカっ!!?」
今回名前が出た動物
アルゲンダヴィス(アルケンα)
ユタラプトル
モロクトカゲ(刺トカゲ)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
エクウス
キャシー(人間)