百五十六頁目
青いカプセルが降り立った岩山は赤いオベリスクの傍にあった山より一回りは小さいようだが、生息している生き物はほとんど同じであった。
つまりあのモフモフの肉食とその連れである小さい角の生えている肉食、アルケンαの同種……そしてゴーレムだ。
後ついでの様にサーベルタイガーやサソリもいるが、こいつらは先ほどと同じようにアルケンαで掴み上げて一方的に倒すことも何ならそのまま違うところにポイ捨てしてやることで幾らでも対処できるので特に気にする必要はない。
それよりも問題なのはゴーレムの方、と言いたいのだがこの山は小さいためか或いは別の肉食が結構湧いているためなのか赤い山の付近よりはずっと数が少なかった。
先ほどの山での経験で何となくだが擬態しているゴーレムを見破れるようになっていたおかげで分かったことだが、これならばあのモフモフの奴とその連れを対処すれば青いカプセルを回収できそうだった。
しかし流石にアルケンαでもあのモフモフの肉食の咆哮を食らったら怯えて逃げ惑うだろうし、そうでなくてもこちらはアルケンαが一体だけなのにあいつが勇気を与えながら指揮する軍団と正面から戦って勝てるとは思えない。
……だけどこちらは空を飛べる関係上、幾らでも対処する方法はある。
それこそ山の斜面ギリギリで一度降りて、弓矢を打つことで向こうの注意を引いて……こちらに近づいてきたところでアルケンαで飛び上がることでそのまま山の下まで奴らを誘導してやればいいのだ。
果たして厄介な肉食達は目論見通りあっさり山の斜面を滑り落ちていき、残ったアルケンαの同種は麻酔矢で打って眠らせることで無力化どころかこのまま仲間にすることができそうだ。
……まさかこんなにあっさりと二匹目の大鷲を仲間にできてしまうだなんて……まあこいつは雄だから繁殖はできないけれど、それでも二匹目の大鷲の存在は色んな意味で頼もしすぎる。
こんなことなら最初からこっちの山に来ていたらよかったかもなぁ……。
百五十七頁目
最高だ……まさかここまで多くの物が得られるだなんて、青いカプセル様様だっ!!
中から巨大な原油ポンプがまるごと出てくるだなんて思わなかったが、これはまさしく地面に湧き出ていた油田から原油を吸い上げてくれる設備……俺が作ろうとしていた物なのだ。
それがこんな形で手に入るだなんてありがたいにもほどがある。
尤も流石に持ち帰るには一度パーツ単位に分解する必要があったが、重量自体はアルケンαなら余裕で持ち運べるレベルなのでこのまま持って行って現地で組み立てながら設置すれば何の問題もない。
しかもこれだけでもありがたかったのに、せっかくの岩山だからともう少し探索しようと頂上まで飛び上がったところで更なる発見をしてしまった。
なんとそこには非常に目立つどこぞの寺院のような独特の形をした古めかしい建物がデンっと建っていたのだ。
見た目からして人が済まなくなってから長い時間が経っているようであったが、前の島での記憶からこの手の場所には先達者様の日記が隠されているはずだ。
しかもその建物がある少し開けた頂上のスペースには赤いオベリスクの傍にあった山と同様に水晶や黒曜石といった希少な素材の塊から、少し色がくすんでいるが恐らく金属鉱石が取れるであろう黄色っぽい塊も点在しているではないか。
もちろん近くにはゴーレムが擬態している岩があったけれど、やはり先ほどの山よりは生息数が少ないようで距離が開いているため、気づかれないように採取するのも不可能ではなさそうだ。
果たして実際にゴーレムから離れた場所にある水晶と黒曜石を少量だが確保することに成功して、もうこの時点でも満足過ぎたのだが更に寺院に隠されていた日記も発見できてしまったではないか。
……本当に最初からこっちに来ていればあんな地獄のような目に合わずにすんだのに……でもまああの経験のお陰でゴーレムが見極められるようになったことだし、何よりこうして欲しかった素材から設備まで手に入ったのだから良しとしておこう。
今回名前が出た動物
ユウティラヌス(モフモフの肉食)
カルノタウルス(小さい角の生えている肉食)
アルゲンダヴィス(アルケンαの同種)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
サーベルタイガー
プルモノスコルピウス(サソリ)
今回登場した日記
ヘレナの記録(#4)