百五十八頁目
まさかこの上でさらに驚くことが待っていただなんて思わなかった。
金属鉱石だと思っていたくすんだ黄色い塊は何と別の資源の塊であったのだ。
たまたま寺院の陰にあったのでついでに採取しておこうとしたのだが、近づいたところでその余りに強烈な臭いで違いに気づくことができたのだ。
これは臭いからして恐らく硫黄か何かだと思われるが、少なくとも前の島には存在しなかった新しい素材なのは確実だ。
まさか塩に続いてまたしても新しい新素材が見つかるだなんて……と思ったところで、あの塩を利用した新しい何かを作ろうとした際に素材が足りていなかったことを思い出した。
ひょっとしてこれがと思って試しに左手首の鉱石を眺めてみたところビンゴだったようで、これと塩を組み合わせることで食料を腐らせずに保存できるようになる食料保存塩とでもいうべき物の作り方が思い浮かんできたではないか。
また他にもすり鉢で硫黄を原油とサボテンの樹液を混ぜ合わせることで推進剤のような引火性の高い液体を作れるのもわかった。
新しい素材や希少な素材が一気に手に入ったことで、やれることもまた凄く増えてくれた気がする。
これなら文明開化に向けて更なる一歩を踏み出せそうな気がして、俺は喜びながらも更に可能な限り素材を回収して回ろうと……したところで先ほど眠らせて餌を食べさせておいたアルケンβ君が目を覚ましたようで親しげな様子でこちらに向かって一直線に向かってきた。
もちろん新しい仲間が増えたこと自体は嬉しい限りだった……ただ何も考えずこっちに向かってきたせいで、途中に居た擬態中のゴーレム達を片っ端から目覚めさせてしまったから最悪だ。
慌てて空に飛びあがりそのまま高度を上げて何とか安全を確保すること自体はできたけれど、流石にもうあの場所で採取を続けることはできないだろう。
少なくともあのゴーレム達が再び擬態して動かなくなるまでは……はぁ、せっかくのチャンスだったのに勿体ないことしたなぁ。
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こうなってはいつまでも未練がましくここに留まっていても仕方がない。
何よりそれなりに活動を続けていたお陰でだんだん日も落ちつつある。
幾ら真っ暗闇になっても戻れるとはいえ、余り離れすぎている場所で夜を迎えるのは流石に不安を覚えてしまう。
何よりせっかく原油ポンプを手に入れたのだし、これを明るさが残っているうちに設置しておきたい気持ちもあり俺はアルケンβを追従させたまま帰路に就いた。
やはり空の移動はコレオちゃん達よりずっと効率が良く、また休む必要もなかったため一気に戻ってこれてしまった。
そして一瞬地上に目をやって、取りあえず拠点と仲間達が無事そうなのを確認するとそのまま原油が湧き出ているポイントへと向かった。
そうして近くにいた刺トカゲやサーベルタイガーをササっと処理して安全を確保してから降り立ち、すぐに原油ポンプの設置に取り掛かるのだった。
今回名前が出た動物
アルゲンダヴィス(アルケンβ)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ティラコレオ(コレオちゃん達)
モロクトカゲ(刺トカゲ)
サーベルタイガー