十七頁目
ついについに火を、人類史上で最も尊いともいえる火を手中に収めたぞっ!!
すっぽ抜けたピッケルが石にぶつかって火花を散らしたのを見逃さなかったのが実に大きいっ!!
その石を砕くと火打石のような固いものがとれて、それをこすり合わせることで火花をわらへ着火することができたのだっ!!
まあ自分でもわらに火が付くほどの高温の火花が飛ぶのか、という疑問はあったが実際に火は付いたのだっ!!
後はこの火を絶やさないよう石を並べ木とわらで組んだ焚火を燃やし、木を大地に固定して作ったかがり火へと移す。
一気に周囲の温度が上がり、丁度日が沈みかけ闇が広がりかけていた世界へ明かりがもたらされる。
今ならキャンプファイヤーで踊る人の気持ちがわかる、いやむしろ焚火の周りでは踊るべきだイヤッホォーっ!!
十八頁目
再び夜のとばりが下り世界が闇に包まれていく。
しかしここには確かな光が存在する、闇に比べて小さいけれども力強い明かりだ。
火がこうも人に勇気を与えるものだとは……この島に来てから僕は初めて知ることばかりだ。
そういえば明かりといえば……あのあちこちに見えている光の柱と空に浮かぶ建造物はなんだろうか?
今までは目の前のことに必死で、あんな遠くのものについて考える余裕なんかなかったが……どう見ても人工物の輝きだ。
空に浮かぶ建造物はなんとなく腕に埋め込まれた鉱石に似ている気がする、あそこに行けば何かわかるのだろうか?
光の柱は……時折消えたり、新しく空から降り注いできたりと忙しない。
光の柱は近くに下りてきたら見に行こうと思う……浮かぶ建造物は遠すぎるのでさらに余裕ができてから考えるとしよう。
十九頁目
わら敷きとはいえさすがに床に直に寝たせいか身体の節々が痛む。
いずれは寝具も揃えていきたいものだが、やはり当面は生活の快適さより生命の安全を確保することを優先すべきだろう。
まずは身を守るための衣服だろう、その次は家の強化だ……今のままではブロントは愚かトリケラの突進にも耐えられないだろう。
草食とはいえ何かのきっかけで襲い来る可能性は十分にある……ああ、もちろん今目の前を通り過ぎた巨大な亀にもだ。
あれはひょっとしてアーケロンとかいう亀だろうか?
恐竜以外にも絶滅動物がいるということなのか……じゃあそこら中で見かけるで飛べない鳥はドードーなのかもしれない。
生物学者なら感激するところかもしれないが、一般人の僕としてはただただげんなりするばかりだ。
動物よりも人間に会いたい、言葉を交わせる相手が欲しい……この島のどこかにはいるのだろうか?
【今回登場した動物】
ブロントサウルス(ブロント)
トリケラトプス(トリケラ)
カルボネミス(巨大な亀・アーケロン)