ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第50話

百六十三頁目

 

 せっかく見つけたこの飛行生物だが、幾ら観察しても地面に着陸しようとはしなかった。

 これほどのスタミナと巨体で空を飛べるともなれば、仲間にすれば非常に有益だろうと思う。

 しかし麻酔矢を使おうにもテラ君で空に乗った状態で両手を離すのは余りにも危険すぎる。

 

 かといって地面から狙おうにも高度があり過ぎて、とても麻酔矢は届かないだろう。

 だから泣く泣く今は諦めることにして、俺はこの場所を記録して緑のオベリスクへと向かった。

 今回は環境の変化も余り無く、おかげで無事に目的地へと到着することができた。

 

 赤いオベリスクと同じ様に崖下の厄介な地形にあるそこにテラ君で着陸しようとして……テリ君の同種がうろついているのに気が付いて慌てて手前で着陸する。

 味方の時はとても頼りになるが、野生のこいつは中々厄介だ。

 草食のくせに近づきすぎると襲い掛かってきて、下手な肉食より戦闘力を持っているのだから。

 

 緑のオベリスクの操作盤の近くをうろつくそいつはまるで門番のようにすら見えた。

 考えてみると赤いオベリスクの傍でも厄介な肉食に襲われた……これは偶然なのか、或いは本当に門番代わりなのだろうか?

 

百六十四頁目

 

 とにかく無視するわけにもいかず、俺は崖の上からクロスボウでそいつを打ち始めることにした。

 最初は捕まえることも考えたが、資源回収用の仲間も居ない状態で罠の建物を作るのは時間がかかり過ぎる。

 だから仕方なくその辺の岩と木々と草から素材を回収して石の矢を作って、攻撃を仕掛けたのだ。

 

 幾ら背が高くても爪が鋭くても、崖の上まで攻撃が届くはずもない。

 おかげで一方的に攻撃することができる……やはり遠距離武器は強い。

 そうこうしているうちに、傷に苦しんだのかテリ君の同種はこちらを睨みつけながら逃げるように距離を取り……そのせいで注意力が散漫になっていたのかその先にある崖から足を滑らせて落ちて行った。

 

 テラ君に乗って上から観察してみると、崖の下には海と繋がる水たまりがあり、そこに流れ着いていたメガロドンに齧られて悲鳴を上げている。

 色々思うところはあるが、とりあえずこれで安全にオベリスクを調べることができるようになった。

 そして操作盤に近づいてそっと左手をかざした俺は、前と同じように空中にホログラムが浮かび上がるのを確認した。

 

 その姿は、驚くほど巨大な蜘蛛のように見えるのだった。

 

百六十五頁目

 

 やはりこのオベリスクにも何かを当てはめるような穴が三つ開いていた……赤いのは四つだったけれどこの差は何なのだろうか?

 ひょっとして青いオベリスクに空いている穴は二つだったりするのだろうか。

 ただ嫌なことに、ここに空いている穴の形状は赤いオベリスクの物とはどれも形状が違っている。

 

 もしもここに洞窟の奥にあるというアーティファクトを当てはめるのだとしたら、その種類は現時点で判明してる中でも最低で七つ必要だと言うことになる。

 俺が見つけた洞窟は三つだが、もしかしたらそれぞれの洞窟に別のアーティファクトが隠されているのかもしれない。

 だとしたら洞窟も最低で七……青いオベリスク次第で十前後存在することになる。

 

 これらを起動するためにはあんな危険な場所を十カ所以上攻略しなければならないのか……何やら目の前が真っ暗になりそうなぐらい絶望的な話だ。

 そしてもう一つ気になること……それはあの空中に浮かび上がった蜘蛛のホログラムの頭部が、火山で見たあの装置に空いていた穴に似ていると言うことだった。

 確かあの場所の穴は三カ所で、一つは赤いオベリスクに浮かび上がったドラゴンの頭部に似ていたはずだ。

 

 やはりこの三つのオベリスクと、あの火山で見た装置は関連があるのだろうか……そう思えて仕方がない。




【今回名前が出た動物】

ケツァルコアトル(飛行生物)
テリジノサウルス(テリ君の同種)
メガロドン
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