ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第504話

百七十五頁目

 

 流石に眠くなり住居の床に敷いたベッドに潜り込んだところで、同じく眠そうにしたハンスさんがやってきた。

 てっきり彼も眠るのかと思いきや、少し離れたベッドにこそ入ったもののその状態で明日の予定について軽く相談しておきたいと言ってくる。

 どうせならぐっすり眠った後でもいいのではとも思ったが、もし起きるのが遅れて……また特殊個体に襲撃されたら困るからとハンスさんが呟いたことで少しだけ眠気が覚めた。

 

 そうだった……ヘレナ氏の日記と新素材のクラフトで盛り上がってついつい忘れかけていたが、この拠点は特殊個体に襲われていたのだ。

 それが一か所に留まらせないための襲撃なのかどうかははっきりしないが、考えてみればこの場所に来てからハンスさんは移動することなく何日も過ごしている。

 だから確かに襲撃が起こり始めていても不思議ではないし、もしそうだとするのならばこれ以上留まればどれだけの強敵が現れるかわかったものではない。

 

 何せすぐ近くにあるARK外周部の砂漠には酸で何もかもを溶かすムカデを始めとした無数の厄介な野生動物がいるのだ。

 もし特殊個体の動物があいつらを引き連れてきたら、それこそ酸のせいで岩で作った防壁ぐらい簡単に破壊されかねない。

 それを避けるためには一度この場所から離れるのが一番だが、そうなると向かう先はやっぱり一番近くにある最初の場所に作ったあの拠点になるだろうか?

 

 何せあそこ以外には移動用に石だけで作った熱の籠る住居しかないのだから……でもまあちょうど俺一人でも戻ろうかと思っていたことだし、ある意味でちょうどよかったかもしれない。

 

百七十六頁目

 

 ひと眠りして朝を迎えた俺達は、昨夜話し合った通りこの拠点から最初の拠点へ移住するために準備を開始した。

 具体的には何を持っていって何を置いていくか、物と動物の両方を判断していく。

 物の方は取りあえず簡単に食料と薬だけを持っていくことにした。

 

 素材に関してはここで取れる真珠も金属鉱石も他の場所で手に入れることはできる。

 アルケンαという優秀な飛行生物がいる今、それらを取りに行くのは難しくないし、仮に必要な忘れ物があっても一瞬取りに戻れば済む話だ。

 代わりに緊急時に使用するメディカルブリューと調理なべで作った食事を兼ねたカスタム料理、それとルゥちゃんの治療用のエレメントダストを使ったドリンクに彼女が作ってくれたサボテンスープは大量に持ち出すことにした。

 

 もちろん腐らせないために移動拠点であるパララ君の背中に配置してある食料保管庫に入れて、彼ごと連れていくつもりだ。

 また連れていく動物の方はそれこそパララ君は当然として、他にも護衛を兼ねてかなりの数を連れていくことにした。

 何せまだゴーレム対策の大砲は作れていないのだ……万が一あいつに襲われた際に移動拠点のパララ君がやられたら大損害になるため、それを防ぐためにも囮のような役割をしてもらう仲間が必要だと考えたのだ。

 

 ……何度も思うができればそんな使い捨てみたいな真似はしたくない……けれど用心に越したことはないのも今更言うまでもない。

 だからここにいる肉食であるワニに針トカゲに角の生えている肉食とサーベルタイガー、後回復もできる豚をパララ君に追従させていく形をとる。

 他にも天候の変化を教えてくれるミッキーを俺とハンスさんの肩に一匹ずつ乗せて連れていく。

 

 その状態でルゥちゃんにはパララ君の背中にある住居で休んでもらいながら、まだ飛行生物の操作に自信のないハンスさんにそのパララ君を操縦してもらい、アルケンαに乗った俺が空から付いていき周りの状況を確認しつつ指示を出せるように進むつもりだった。

 ……このメンバーでの移動は二度目になるが、前と違ってハンスさんもルゥちゃんも問題になる様な行動をとるとは思えないしあの時ほど苦労せずに済むと信じたいところだ。




今回名前が出た動物

アースロプレウラ(ムカデ)
アルゲンダヴィス(アルケンα)
パラケラテリウム(パララ君)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
カプロスクス(ワニ)
モロクトカゲ(針トカゲ)
カルノタウルス(角の生えた肉食)
サーベルタイガー
ダエオドン(豚)
トビネズミ(ミッキー)
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