百八十一頁目
思った通り緑のオベリスクが目印になってくれているお陰で、手作りマップとコンパスを頼りに最初の拠点へ向かって進んでいた時より帰り道を進むスピードは速くなっていた。
それでも追従させた動物が足元に絡むせいか、ハンスさんの乗るパララ君は微妙に進みが悪そうであった。
……どうせ来た道を引き返す形になるわけだし、道中にいる敵はもう一掃済みだからいっそのことハンスさんには護衛抜きにしてでも早めに進んでもらった方がいいかもしれない。
そう思って俺は動物たちを自分の乗るアルケンαの方へと追従させる形に直し、ハンスさんが進みやすいようにしてあげた。
果たして俺の思惑通り、パララ君の移動はさらにスムーズになり進行スピードはかなり速くなった。
その上で念のため高度を上げて空の上から大雑把に帰り道を確認して、障害になりそうなものがないことも確認しておく。
これなら今のパララ君の速度ならもう大して時間も掛からず拠点まで戻れそう……と思ったところで不意に汗が目に入ってきて慌てて拭う羽目になる。
……何だか妙に熱くなってきていないか? それに太陽の眩しさも今まで以上に……と思ったところで狼の咆哮が聞こえてきた。
仲間の狼はもういなくなっている以上、これは野生の狼が獲物を見つけて吠えているのだとすぐに悟る。
ただその咆哮は結構遠くの方から聞こえてくるようで、すぐに襲われる心配はなさそうだ。
恐らくは少し離れたところであの狼が瘤付きのような草食動物を見つけて吠えているのだろうと見当をつけたが、それでも万が一にも護衛を外したパララ君が襲われたら面倒なことになる。
だから念のため敵の位置を確認しておこうと、再び流れ出てくる汗を拭いながら声の聞こえた方を望遠鏡で確認してみることにした。
果たして思った通り、そこそこ離れたところで狼が逃げる馬を追いかけて走り出しているではないか。
しかも都合の良いことに馬は俺達とは真逆の方向に……具体的には俺が最初にゴーレムに襲われた金属鉱石のある方へむかっているようで、とにかくあの狼の群れがこちらに来ることはなさそうだった。
別にあの狼も追われている馬も特に貴重な生き物というわけでもないし、何より色々と余裕のない今はあんなのに関わっている時間はない。
だからすぐに興味を失って俺は先に進んでいるハンスさんと合流しようとして……だけど視線を外そうとしたところで何だか妙にモヤモヤするというか何かに違和感を覚えている自分に気が付いて、もう少しだけ観察してみようと望遠鏡で特に逃げている馬の方を確認してみた。
……やっぱり変だ……あの逃げてる馬、背中が妙に盛り上がっているというか何かがくっ付いているというか……それにロープみたいなものが垂れ下がっててその先に肌色の何かが引きずられているよう……っ!!?
あ、あれは……ひょっとして……生存者なのかっ!!?
今回名前が出た動物
パラケラテリウム(パララ君)
アルゲンダヴィス(アルケンα)
ダイアウルフ(狼)
モレラトプス(瘤付き)
エクウス(馬)
ロックエレメンタル(ゴーレム)