百九十五頁目
幾ら特殊個体のラプトルとはいえ石造りの防壁を破壊するのには時間が掛かる。
その隙にまずは周りの雑魚から始末していくことにした。
早速ハンスさんと共にアルケンで……とはいかず、彼には万が一の際に備えて新たな防壁を作っておいてもらうことにする。
元々騎乗が苦手だったハンスさんが果たして練習したとはいえどれだけ飛行生物を乗りこなせるかわからないのに、いきなり特殊個体との実戦をさせるのは不安過ぎたのだ。
また住居の中で未だ意識が戻っていない女性たちがいる以上、防壁を突破されて中に雪崩れ込まれたら非常にヤバいことになる。
そう今回はいつものように危険な事態になっても飛行生物でさっと逃げるわけにはいかない……あの人達を守るためにも必ず撃退しなければならないのだ。
だからこそハンスさんには防壁が破られてもすぐに新しいのを設置して相手の侵入を防げる状態を維持できるように待機してもらうことにしたのだ。
動物の数も少ない上に戦闘に参加できる人間が俺一人となると更に戦力は落ちるが、こればっかりは仕方ないだろう。
……本当に早いところハンスさんには飛行生物に慣れてもらわないとなぁ。
百九十六頁目
本当にアルケン達は頼りになる、
何せ狼の群れを退治した時と同様に、通常のラプトルなどはかぎ爪で掴んで持ち上げることでやっぱりほぼ無力化することができてしまうのだから。
或いは特殊個体のラプトルも同じように倒せるのではと一瞬期待したが、こちらは暴れる力が強すぎてとても掴めそうになかった。
それでも通常ラプトルは問題なく倒せそ……い、いやだけどなんか想像以上にこいつらもタフな気がする。
いつもなら抵抗できなくなるほどの攻撃を加えてもなお、果敢に攻撃を続けようとしてくるのだ。
……そう言えばやっぱり前の島で特殊個体に率いられている動物達と戦闘した際も、いつも以上に手ごわく感じていたっけなぁ。
まあそれでもしょせんはラプトルだから、ティラノ相手でも少しは粘れるアルケン達の敵ではなかった。
逆に言えばこいつらがラプトルでなくもっと戦闘力の高い生き物だったらどうなっていたことやら……それこそあのゴーレムを引き連れてきた日には……うぅ、考えたくもない。
やっぱり余り一か所に長居すべきでないではないと改めて思い知らされる。
これは明日になる前に移動した方がいいな……それこそ仮にあの二人が意識を取り戻さなくても移動拠点のパララ君に乗せて無理やりにでも引っ越しを済ませるべきだろう。
尤もそれはこの襲撃を乗り切ってから考えるべきことだ、残る大将首に集中するとしよう。
今回名前が出た動物
αラプトル(特殊個体のラプトル)
ユタラプトル
アルゲンダヴィス(アルケンα、β)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ティラノサウルス
パラケラテリウム(パララ君)