二百六頁目
よほど消耗していたのか、ソフィアはまだまだ目を覚ます気配はなかった。
キャシー曰く一頭しかいない馬で肉食鳥……多分ラプトルだろうけど、あいつから逃げるために仕方なく彼女を引きずっていたというから無理もない話だ。
尤もラプトル共はかなり速いため人の足で逃げ切れはしなかっただろうし、何よりこうして二人揃って生き延びれたのだから正しい判断だったはずだ。
それでもキャシーは責任を感じているのか、やっぱり傍から離れず目を覚ますまで傍で看病し続けるつもりのようだ。
まだ外も明るい今、せっかくだしここはキャシーに任せて俺達は色々と別の作業をしておくとしよう。
何せこのままだまた明日には厄介な動物共の襲撃が起こるのだから、対策も考えると時間を無駄にしている余裕はない。
だから未だに放心状態のハンスさんに声をかけて……もダメだったから肩を掴んで揺さぶってようやく正気に戻った彼と、ソフィアの傍に佇んでいたルゥちゃん&オウ・ホウさんに改めて声をかけて早速どう動くのかを軽く話し合うのだった。
二百七頁目
取りあえず早急にやらなければいけないのは何を置いても護衛動物の確保だ。
このままここに残って次の襲撃をやり過ごすにしても、また別の拠点に引っ越しを始めるにしても、今の戦力では非常に心許ないからだ。
もちろん誰からも異論が上がるはずもなく、また自然と弓矢の扱いから動物への対処まで慣れている俺の役割となった。
次に必要なこととして思ったのが、やはりこのままこの拠点に残るにしても別のところに引っ越すにしても……流石に人の数が増えたことで住居の改築が必要だろうということだった。
具体的には女性達が暮らす専用の部屋か離れを一つ作るつもりでた。
何せ今まではルゥちゃんが居たとはいえ色々と不安な面があった上に幼いから面倒を見る意味もあって、同じ部屋で寝てもあまり気にならなかったがキャシーとソフィアという立派な女性二人……まあ年齢は直接聞けなかったけれど見た目からして多分二十歳前後であろう彼女達と同じ部屋で過ごすのは流石にまずい。
それを伝えるとすぐに理解してくれたのか顔が赤いままのハンスさんが即座にその通りだと頷いてくれて、これは力仕事も必要なのでその勢いのままに彼がやることになった。
後は細々としたクラフト関連だが、流石に残る人員であるルゥちゃんに鉄を溶かしたりするような作業はさせられないため、主に麻酔薬とメディカルブリューそしてサボテンスープなどの生産をオウ・ホウさんと共にお願いすることにした。
そして最後に住居内に残っているキャシーに改めてソフィアの看病をお願いし、綺麗な水の出る蛇口の使い方や薬であるメディカルブリューなどは自由に使っていいし、非常時には遠慮なく声をかけて欲しいと伝えた。
こうして役割分担も終わったところで、早速俺達は各々の活動に移り始めた。
……協力し合える仲間が増えてきてようやくトライブっぽくなってきたなぁ。
実際にこうしてみんなで役割分担してから動いていると前の島にいた頃を思い出してしまう。
……あの島に残してきてしまったメアリーとマァが懐かしくなってきた……いつかまた再開できる日は来るのだろうか?
今回名前が出た動物
エクウス(馬)
ユタラプトル