ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第524話

二百十頁目

 

 夕焼けに染まる世界を見下ろしながら、もう少しだけ動物の捕獲を続けるべきか少し悩んだが結局辞めておくことにした。

 確かに明日のことを考えれば動物は多い方が良いのは確かだが、薄暗くなる中で活動して万が一のことがあったらシャレにならない。

 もうずっとやり続けている作業だから当たり前の用に簡単にこなしているが、動物の捕獲は一歩間違えれば命を落としかねない危険な行為なのだから。

 

 もちろん今の俺なら多少のピンチには臨機応変に応対できる自信もあるが、だからと言って命を懸けてまで続けるほどの意味がある作業とも思えない。

 ……それなのに少しだけ迷ってしまった当たり、やっぱり俺は初心を忘れかけている気がする。

 文明開化した時の暮らしを早く取り戻したいという気持ちと、この砂漠で余りに多く発生している犠牲者を早く救いたいという気持ち……それらのせいで無意識のうちに焦り気味になっているのかもしれない。

 

 確かに進展は大事だけれど、そのために無茶をして命を落としたら何にもならないというのに……全くこれでは前の島でオウ・ホウさんを犠牲にしてしまった時の二の舞になりかねないじゃないか。

 あんなことにならないためにも、やっぱり進捗は遅くても無理はせず慎重に慎重さを重ねて安全かつ確実に各々の作業を進めていこう。

 ……だけど護衛の動物が少なすぎてもそれはそれで命の危険が……いやでもこんな暗い中でまた動物を数匹捕まえたところで戦力的には焼け石に水だし……でも少しでも動物がいれば……って痛い痛いっ!! わかったからっ!! もう帰るから痛みを止めてっ!!

 

二百十一頁目

 

 拠点内に戻ったところで仲間になった動物達がすがる様な目で見つめてきた。

 どうやらお腹が空いたようだ……捕獲作業を効率よくこなすために仲間になるための必要最低限と思われる餌を与えたらその後は放置していたもんだからそりゃあ餌が欲しくなる。

 だから特殊個体ラプトルを解体した時の新鮮な生肉を分け与えていくが、その際に残っていた草食達も怪我を癒すためにも沢山栄養を欲しているだろうしそっちの餌も確認して……と、この手の作業も中々に面倒だ。

 

 この辺をどう改良したものかと一瞬頭を悩ませたが、すぐに前の島でフローラが餌箱を作っていたことを思い出した。

 ここの動物達は皆賢いから餌箱の中に食物を入れておけば、お腹が空いたときに勝手に自分が食べられるものを選んで食べてくれるのだ。

 ただお腹の減った動物がサイズも考えず乱暴に頭をとっかえひっかえ突っ込むものだから壊れないよう金属鉱石を使って耐久性を確保する必要があった。

 

 その金属鉱石にしてもこの拠点に来てからは十分確保してあるためあっさりと完成した餌箱を適当なところに設置して、改めて動物達の餌を入れていった。

 そして軽く指示出しして餌箱の存在を教えてやると、やっぱり動物達はあっさりと順応してくれて自分から餌箱を漁り食事を始めた。

 ……うん、やっぱりこの方がずっと楽だな……まあそれはそれとして金属鉱石の在庫が意外と少なくなってたな。

 

 確保する傍から全部溶かして金属のインゴットにしているから仕方ないのだが、思い返してみれば今日は金属鉱石を採取に行っていなかった。

 毎日の日課のようなものだったのだが色々忙しかったせいだろう……けど、何だかちょっと勿体ない気もする。

 ……今からちょっとアルケンに乗ってアンキロ君を掴んで一緒に金属鉱石だけでも採取に……ってだから無理しないって誓ったばかりでしょうが。

 

 全く我ながらうかつというかなんというか……或いは今日は本当に忙しかったからちょっと疲れてるのかもしれないな。

 なんたって無理して暑い中活動しまくってたしその後戦闘もしたりして一日中動きっぱなしで、服だって少し汗臭くなっている気がする。

 ……疲れをいやす意味も兼ねてシャワーでも浴びてさっぱりしてこようかな?




今回名前が出た動物

αラプトル(特殊個体ラプトル)
アルゲンダヴィス(アルケン)
アンキロサウルス
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