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キャシー達はルゥちゃんに対しては自分達と同じようにこの砂漠へ連れてこられた……まあ正しくはここで生み出されたなのだが、とにかくそんな被害者仲間として特に警戒する様子は見せなくなった。
恐らく同性である上に未成年だからという点もプラスに働いたのだろうが、逆に言えば俺達に対してはまだ完全に信頼するかどうか悩んでいるようであった。
ただこれはまだ俺もハンスさんもルゥちゃんの様に自分達のことを全く話していないのも原因の一つだろう。
実際に向こうは歩み寄ろうというのか、それとも単純に自分達の不安を解消するためにか少し戸惑いながらもソフィアも目覚めたことだし今度こそ話を聞かせて欲しいと言ってきた。
もちろんここで嫌だとは言えず、またいう理由もないため頷いた俺は早速口を開……こうとしたところでルゥちゃんが小さくクシャミをした。
もう完全に夜になった砂漠は昼間から一転して涼しいを通り越して寒々としている。
幾ら焚火や篝火があるとはいえ、流石に布の服という薄着で野外に居ては凍えて当たり前だ。
だから一旦場所を住居の中に移そうと提案し、その際についでとばかりに部屋割りについても説明した。
一階を女性専用の寝室にすると告げながら、さりげなくドアには鍵も付いていることを伝えると二人は少しだけ安堵した……ような気がした。
尤もこればっかりは当然の反応だろう……仮に俺達が信用されていたとしても、こんな砂漠という閉鎖的な環境で出会ったばかりの異性と共に過ごすとなればその手の警戒はしない方がおかしい。
それこそ前の島でも出会ったばかりのメアリーとは彼女の性格もあってだが、彼女専用の建物に一人で暮らせるようにしていたではないか。
……まあフローラは当初から一緒だったけれど、あれは命の危険を前に一人で過ごすのも怖いという状況だったから例外だろう。
とにかくそうやって住居の説明がてら、広くて皆が入れる一階の部屋の床にハンスさんと共に腰を下ろした。
そんな俺達を前にキャシーとソフィアは少し離れたところに向かい合うように腰を下ろし、ルゥちゃんは……眠くなったのか近くを飛び回るオウ・ホウさんに眠っていいか尋ねるとそのまま自分用のベッドに入り込んでしまった。
ちなみに二人とも傍に浮かんでいるオウ・ホウさん、というよりも光を放つガイドロボットに対しては何とも言えぬ目を向けているが俺達が肩に乗せているミッキーを始めとしたこの場所に生息する不思議生物の一体とでも思っているのか取りあえず今は気にしないことにしているようだった。
……まあオウ・ホウさんが操っているあのロボットに関しては俺達ですらどういうものなのかはっきり理解できているわけではないから、余り突っ込まれても困ってしまうのだが。