二百二十頁目
キャシーとソフィアはお互いが口にした年代に対して驚いていたが、やはりこの二人の間には信頼関係ができているのか相手の言葉を疑う様子はなかった。
特にキャシーの方は何か思い当たる点でもあったのか、首をかしげながらも得心が言ったように頷いた……かと思えばやっぱり変だとばかりに首をかしげている。
またソフィアの方も訳が分からないようで慌てたように瞬きしながら、何度もキャシーに本当なのかと尋ねている。
まあ同じ年頃にしか見えない相手と百年近い歳の違いがあるとわかれば混乱しない方がどうかしている。
それでもキャシーとソフィアの間であってもこれだけ混乱したところを見るに、きっと俺が先に自分の生まれた年を伝えたとしても信じてもらえなかった可能性が高い。
いやそれどころか余計に不審な目で見られて信頼関係を築くどころではなくなってしまったかもしれない。
やはりまず二人の年代を確認した自分の判断は正しかったようだ。
……だけどよかったぁ、もしもこの二人が同じ時代から来ていたら物凄く面倒なことになってたよ。
尤もここに送られる人間は様々な時代から無作為に選ばれているようだし、流石に同じ年代から連続して人が来ることはそうそうないだろうと踏んでのことだったのだが上手く行って本当によかった。
これで少しは俺の話にも信憑性を感じてもらえたらいいのだが……なんたってこれから先の話はもっと信じがたいことの連続なのだから……。
そんなことを思う俺の前でようやく混乱が落ち着いたらしい二人のうちキャシーが身体を乗り出しながらこの年代の差は何なのかと尋ねてくる。
それに対してソフィアの方は恐る恐るといった感じで、そもそも今は何年ですかと続けて質問してきた。
どちらの質問も想定内ではあるが、同時にその答えはこのARKという世界の根幹にも繋がる内容で……間違いなく彼女達にとっても辛くなる絶望的な話でもある。
だから俺は二人に答えてもいいけれどかなり衝撃的で今まで以上に信じがたく、何より余り救いのない内容だけれどいいかなと聞いてみることにした。
果たして二人はしばらく顔を見合わせたかと思うと、今度は意識してお互いの手を握り合うと改めて俺に向き直り……はっきりと頷いて見せてくれた。
もちろんこうなった以上、もう隠し事をするわけにもいかないしする必要もない。
俺は淡々とこのARKという世界について、そして自分達の存在についてを彼女達の年代……俺より百年以上昔の人間にもわかるようゆっくりかみ砕きながら説明していくのだった。
何か予想に反して恐竜の出ない話し合いが長くなってしまっていますが、そろそろARK攻略に戻る……予定です。