ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第542話

二百三十八頁目

 

 作業をしながら並行してハンスさんに動物を掴むコツを教えるが、すぐに動きこそふら付いているが特に問題なくこなせるようになった。

 すると飛行生物を操る練習を兼ねてワニを連れに行ってくると再び飛び去って行ったが、またしても手ぶらで戻ってきた。

 そして物凄く意気消沈した様子でやっぱり上手く掴めなかったと謝罪され、住居の改築の続きは自分がやるから役目を変わってほしいと言ってくる。

 

 尤もワニを連れてくる理由は余りなかったりするのだが……護衛の動物にしても、ここに置いてきたコレオちゃん達が怪我も癒えていて戦える状態になっている。

 流石に雄雌ブーストが掛かった状態のコレオちゃん達が三匹も居れば、多分ゴーレム以外ならそうそう負けることはないはずだ。

 だからと言ってせっかくの仲間を放置しておくのも可哀そうだし、言われるままアルケン達に乗り換えて移動を開始する俺。

 

 その際にどうせなら少し先にある岩山から希少素材も取ってこようと思い、去り際に帰りが遅れることを告げておいた。

 ……ハンスさんが苦手意識を抱いているっぽい女性陣の下に置いていくのはちょっと心配だが、彼女達の俺に対する反応を見る限りいがみ合ったりする心配はなさそうだし今後少なくともしばらくの間は一緒にやっていくのだから慣れておいてもらわないと困るのも事実なのだから。

 

二百三十九頁目

 

 お、おかしい……どうしてこのワニは掴めないんだっ!?

 幾ら試しても表面で滑るのか、アルケン達のかぎ爪でワニを持ち上げることはできなかった。

 メカステゴの時と違ってサイズ的にも重量的にも十分持ち運べそうなはずなのに……一体どうなっているのだろうか?

 

 ともかくこの調子だとハンスさんの腕が悪くて掴めなかったわけではなさそうだが、それはそれとしてこれではこの子を連れて行くのは不可能だ。

 飛行生物とでは機動力に差がありすぎるから追従させて付いてこさせるにしても時間が掛かりすぎて勿体ない。

 少なくとも今は他にやるべきことが結構あるから、いつまでも放置しておく気はないがもう少し余裕ができるまでは放っておくしかない。

 

 そう思い泣く泣くワニを置いて希少素材が取れる岩山へと向かう俺……何だかメカステゴの時を思い出すなぁ。

 

二百四十頁目

 

 比較的安全なヘレナ氏の日記があった方の岩山にやってきたが、相変わらずゴーレムがあちこちに点在していた。

 もちろん他にもサソリやアルケンの同種、そしてカルノンの同種を引き連れたモサモサの肉食もうろついている。

 ただ空を飛べない奴らは誘導して山の斜面から落としてやればいいし、アルケンの同種の方は死体さえなければ近づかない限り反応することはない。

 

 だからゴーレムとアルケンの同種に近づき過ぎないよう注意して、水晶と黒曜石に硫黄と金属鉱石可能な限り採取していく。

 それらが終われば今度は捕まえられそうなアルケンの同種を見繕って捕獲作業に移る。

 仲間が増えた今、飛行生物は多ければ多いほどいい……まして便利生物過ぎるアルケン達ならなおさらだ。

 

 果たして弓を射られて逃げた方向が悪かったりゴーレムの傍に落ちた個体は無視するしかないが、それらを除いても何とか新たに三頭仲間にすることができた。

 これで元からいた二頭と合わせて拠点にいる人数分のアルケンを確保できた。

 ただ動物達が目を覚ます時間もあって日暮れギリギリになってしまったが、多分拠点に残っている誰かが篝火なりを燃やしてくれるから暗くなっても帰れなくはないだろう。

 

二百四十一頁目

 

 思っていた通り、拠点には篝火がいくつもともされていてそれを目印に何とか帰り着くことができた。

 そうして戻ってみれば既にいつもの歌と踊りを始めているルゥちゃんを皆が囲んで……いやなんかキャシーも一緒になって踊ってないか?

 優雅なルゥちゃんと違ってワイルド気味というか激しい動きなキャシー……滅茶苦茶揺れてそうで、右手首を思うと迂闊に近づけない。

 

 実際に傍にいるハンスさんはその破壊力にか目を逸らしているし、ソフィアも遠目ではっきりしないが自分の胸元とキャシーの方を交互に見つめているような……。

 うん、これ色々と面倒なことになりそうだし終わるまで近づかない方がよさそうだなぁ。

 そう思ってそっと少し離れたところにあるコレオちゃん達を放っておいた牧場風に石の柵で囲んだ場所に降り立つと、パララ君を除いた連れてきた動物達が自由気ままに放浪して回っていた。

 

 しかも暗いからはっきりしないがなんか色々と広くなっているような気が……それに餌箱も完備されている上、その隣には既存の水道を拡張してつけたと思わしき蛇口が動物のサイズごとの頭の位置に合わせるように配置されているではないか。

 これはひょっとして牧場暮らしだったというキャシーが……けど彼女達がこの砂漠で目を覚ましたのって少し前のはずなのに、もうこれらを思いつけるほどの経験を積んでいたのだろうか?




今回名前が出た動物

カプロスクス(ワニ)
ティラコレオ(コレオちゃん)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
アルゲンダヴィス(アルケン達)
TEKステゴサウルス(メカステゴ)
プルモノスコルピウス(サソリ)
カルノタウルス(カルノンの同種)
ユウティラヌス(モサモサの肉食)
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