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取りあえずシャワーを浴び終えた報告でもと思い一階のドアをノックすると、先に戻っていたキャシーが飛び出してきて俺の手を掴むと中へと連れ込んできた。
そして部屋の中央にある料理の並べられたテーブルを囲むように置いてある長椅子に座らされてしまった。
見れば既に席に付いていたルゥちゃんがお腹空いたとばかりの目を向けてくるが、隣に座るソフィアが何故かもう少しだけ我慢するように言っていた。
どうやら俺を待っていたようで、実際にまだ誰も食べないのか聞いてみれば一番頑張った家主様より先に食べるのは失礼だからという返事が返ってくる。
……これもやっぱり彼女達が過去のまだ男尊女卑な価値観が一般的だった時代の出身だからこその習慣なのだろうか?
しかも食べる前に御祈りをとまで言われて……はっきり言って宗教に詳しくない俺は困ってしまう。
だから助けを求めるようにハンスさんを探し求めるが、彼は長椅子の端に座っているのにも関わらずすぐ隣にキャシーが腰かけたせいか役に立たない状態のようだった。
次いでオウ・ホウさんの方を見るが、こちらはルゥちゃんの傍を輝きながら動くばかり……い、いや軌跡が文字になって何かを訴えようと……してるみたいだけど流石にそこまでは翻訳されないのか全く読めないです。
……まあ多分頑張れだとかそんな励ましだろうと思うけれど、こうなったら仕方ないから……恵みに感謝して頂きますとでも言っておこう。
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どうも俺が深読みしすぎていたようだ。
彼女達はお祈りという言葉こそ使っているが、単純に食事前の挨拶を求めていただけだったらしい。
何せ食卓には俺が前に作ったカスタムレシピの料理だけでなく野菜代わりなのか各種果実と、生肉や霜降り肉を焼いたこんがり肉も添えられていた。
多分この生肉の元となった生き物へのお詫びというか感謝の言葉というか、とにかくそういうのが欲しかっただけのようで頂きますの一言で彼女達は満足してくれたのだ。
尤もやっぱり俺がまず一口食うまでは誰も食事に手を付けなかったのはちょっと困ったが、この辺りは後で話し合って何とか価値観をすり合わせるとしよう。
また並んでいる果実にメディカルブリューの材料となる赤い奴しか並んでいなかったのも勿体ないと感じてしまうが、多分これは食べられる果実を教えれば解決するはずだ。
まあどっちにしても今すぐ言う必要はないし、空気を悪くしないためにもこのまま食事にすることにするか。
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食事も終えると後は明日に備えてのクラフト作業ぐらいしかやることはない。
それでも人手が少ないときは野外での活動時間を増やすためにも半ば徹夜気味で頑張ったこともあったが、今はそんな必要はない。
ハンスさんとオウ・ホウさんに指示されているルゥちゃんは元より、ソフィアとキャシーも自分から進んで手伝えることがあるなら協力すると言ってくれるのだから。
そんな彼女達によく使うメディカルブリューや麻酔薬と麻酔矢などの作り方を説明して、早速手分けしての作業に移った。
もちろん手を動かしながらでも会話ぐらいはできるわけで、この機会に色々と話しておくことにした。
取りあえずは麻酔の制作に絡める形で食べられる果実と食べられない果実の差を教えて、またどこで何が採取できるかやそのための道具についても一通り教えていく。
更にこのARKにおける水は海水だろうと洞窟内の湧き水であったも基本的に清潔で飲んでも平気だということを教えたところで、改めて彼女達から海水についての質問がやってきた。
それを説明するにはやはり前のARKでの話もしなければならないが、それはまだハンスさんにもちゃんと話してはいないことだ。
尤も別に隠しておくほどの事ではないし、何より他の皆は来たばかりというのもあるがARKに来てからの話を既に教えてくれている。
せっかくみんなが揃っているのだからこの機会に俺もARKで辿ってきた経歴を話しておくとしよう。
ASA買っちゃいましたっ!!
現在インストール中ですが、滅茶苦茶楽しみですっ!!