二百五十頁目
フローラのことを話す際に少しだけ涙ぐんでしまい心配されてしまった。
もちろんすぐに涙をぬぐって大丈夫だと言い返したが、ついつい右手首を眺めてフローラの姿を求めてしまう。
現れたフローラのホログラムはよしよしと言わんばかりに手を伸ばして俺の頭を撫でるような仕草をしていた。
……ああ、君の声も感触も懐かしい……早くまた君に触ってほしいし触りたいよ。
そんな感傷が湧いてきたせいかまたしても涙ぐみそうになり、再びキャシーから心配するような言葉を掛けられてしまう。
それに対してフローラの……正確には右手首の鉱石について話していたハンスさんは痛々しい様な神妙そうな顔をしてこちらを見ていたが、ソフィアの方は何故か申し訳なさそうにしながらもしかしてと前置きした上で俺の右手首の鉱石がフローラさんの物ではと聞いてきた。
どうやらソフィアは俺の態度からこれが彼女の遺品なのではと推察したようだ。
とても鋭い推察だが正確には遺品ではない……まあ当時の俺も遺品のつもりで埋め込んだのだからそう考えるのも無理はないだろう。
それに対してキャシーはどうも俺の右手首にも鉱石が埋め込まれていることに気づいていなかったようで、まずそっちの事実の方に驚いていた。
そんな彼女達に改めて心配しなくていいとフローラの意思はまだ生きていると伝えた上で、実際に鉱石だけだが自分の意思を残しているオウ・ホウさんを指し示した。
ルゥちゃんの傍で浮かんでいたオウ・ホウさんは俺の言葉に肯定を意味する返事をしてくれて、それを聞いてまたソフィアとキャシーは驚いた様子で目を見開くのだった。
二百五十一頁目
夜更かししないように話を短くするつもりが、どうも上手くいかないでいた。
だから一旦この辺りで終わりにして続きはまた後日……とも思ったのだが、三人ともが興味津々というか続きを聞きたそうな顔で迫ってくる。
……そう三人、何とハンスさんまでも俺が話していなかった前の島での細かい話をもっと聞きたいと言ってくるのだからどうしようもない。
多数決でここまで完敗したらどうしようもない……どうせ引っ越したばかりでしばらくは安全なんだから、今晩ぐらいは付き合うとしますか。
そう覚悟を決めて、俺は続きを話すべく口を動かし始めた。
フローラと出会った後で起こった襲撃によりまたしても拠点が壊滅したところから始まり、新たな仲間であるフローラと共に力を合わせて島の攻略を始めた日々。
波乱万丈だった洞窟の発見からその攻略までを話すと、キャシーはお宝を探すための冒険というところに興奮した様子を見せた。
見つけた日記や実際に捕まえた動物の特徴や能力などを話せば、ソフィアは興味深そうに頷きながら情報を整理するかのように考える素振りを見せた。
電化製品の発明から文明開化を行い果てはエレメントを利用したTEKレプリケーターまで作り上げたことを聞いたハンスさんは、それさえあればTEK装備という俺も知らない未来の装備が作れるかもしれないと口惜しそうな顔をして見せる。
……ただ俺が少しだけ言いづらそうにしながらも語ったギガノトの一件を聞いた際には沈痛そうな顔でこちらの右手首の鉱石へ視線を向けてきた。
しかしそんな深刻そうに同情されても困る……確かにあれは悲劇だったけれどまだ十分に挽回可能なことのはずなのだから。
そう思って俺はあえて気にしない風を装いながら話を続け……だけどドラゴンの一件でまたしても落ち込む羽目になるのだった。
……エレメントのせいだとは言えあのミスは本当にシャレにならないよ、というか挽回可能じゃなかったら余りに辛すぎて過去の話をするどころか思い返す余裕すらなかったかもしれない。
今回名前が出た動物
ギガノトサウルス
ドラゴン
ASAついに始めましたが本当にグラフィック関連が凄いっ!!
地形も細かいところが変わっていて、色々と探索するのが楽しい……けどバグか何かで篝火が全く周りを照らしてくれないのは悲しかったなぁ涙