ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第55話

百七十八頁目

 

 一体何が起きているんだ? 俺の仮説は間違っていたのか?

 最初の拠点に戻った俺が見たのは、あちこちの防壁が崩れ落ちていて無数のラプトルに襲われている仲間たちの姿だった。

 必死にスピノが迎撃しているが、何やら妙に強い一回り大きな個体が混じっているために苦戦を強いられているようだ。

 

 よく見ればそいつはいつぞやのナマケモノにも似た怒り狂った瞳をしていて、余りの怒りに全身から赤いオーラのようなものを発しているようにすら見えるほどだ。

 そして力いっぱい振り下ろした爪は、何とティラノですら壊せなかった石の壁にすら傷を残していく。

 そんな化け物交じりのラプトル軍団の襲撃により、見ればスピノ以外の他の仲間は殆どやられてしまっている。

 

 スピノ以外で残っているのは甲羅で相手の攻撃を軽減できたであろうガメラとトトだけで、味方のラプトル軍団すら全滅している。

 その残る三匹も傷だらけで、このままでは全滅するのがオチだ……こんな衝撃的な光景を目の当たりにしたら幾ら今の俺でも精神が昂ってくる。

 何とかしなければと思い、とにかくこの場で戦い続けるのは不利だと判断してスピノと共に敵を水辺へと誘導することにした。

 

 巨大亀のガメラとトトは元より、背が高いスピノならラプトルが足の付けない深さの場所でも普通に戦えるはずだ。

 

百七十九頁目

 

 スピノ達を何とか水辺へ移動させたはいいが、何故かラプトル達は執拗に建物を壊そうと攻撃を繰り返していた。

 仕方なく俺が建物の屋根に降りて身体の大きなラプトルに麻酔矢を放ち、注目を惹きつけた上で改めてテラ君と共に仲間のいる水辺へと向かった。

 すると目論見通りそいつは俺へと標的を変えて、他のラプトルを引き連れながらこちらへと向かってきた。

 

 そして水辺で動きが鈍ったところを水中戦が得意な亀と、水で体重が軽減しているのか妙に動きの軽くなったスピノが共同して殲滅していく。

 その際に俺も近くの登りずらいであろう岩の上に降り立ち、援護目的で手元にあった麻酔矢を数発ほど身体の大きなラプトルに放ってみたが、こいつは他の生き物と違って欠片も動きが鈍らなかった。

 恐らくは麻酔に完全耐性があるのだろう……つまりは絶対に仲間にすることができない生き物だ。

 

 しかもそいつはスピノに数発叩かれたら倒れる普通のラプトルとは違い、平然とスピノと殴り合いをしているではないか。

 体格から力、はては体力も桁違いでありながら眠りにも耐性がある凶悪生物……いったいなぜこんな奴が存在するのだろうか?

 そしてどうして急にこの拠点が襲われ出したのか、どちらも全く分からないがとにかく今はこいつを倒すことだけを考えよう。




【今回名前が出た動物】

ユタラプトル
スピノサウルス
αラプトル(一回り大きなラプトル)
メガテリウム(ナマケモノ)
ティラノサウルス
カルボネミス(ガメラ・トト)

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