ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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前話、冒頭部分に抜けがあったので訂正しました。


第550話

二百五十八頁目

 

 真珠と金属鉱石を採取し終えたところで、ルゥちゃんもまた近場で取れる植物は採取しきってしまったようだ。

 こうなると遠征できない以上は戻ってクラフトに専念するのが一番なのだが、念のために飛び上がって周囲の安全を確認した……のがいけなかった。

 果たして近くには瘤付きやパロロ君の同種といった草食ばかりで何の危険もなかったのだが、その中にアルマジロとアンキロを見つけてしまったのだ。

 

 あの二匹はどちらも岩石や金属鉱石をこの上なく効率的に砕くことができる動物達で捕まえられるなら捕まえておきたい動物達だ。

 特にアルマジロの方は前にもこの近辺で見かけてはいたけれど運搬する手段がないために諦めざるを得なかったが、今は掴んで運べるアルケン達がいる。

 アンキロはともかくアルマジロはまだこの砂漠では一体も仲間にしていないためにこの機会を逃すのが惜しくてたまらなく感じてしまう。

 

 ……一度拠点に戻って誰かが起きていたら……いやそうでなかったら悪いけどオウ・ホウさんにまたルゥちゃんを頼んで早めに戻るとしよう。

 

二百五十九頁目

 

 防柵の内側へ引き返すと何故か牧場の方か騒がしくなっている。

 何かあったのかと様子を見に行けば、いつの間にか起きていたらしいキャシーが新しく仲間にしたアルケン達に抱き着いていた。

 羽毛の中に顔をうずめてその感触に感激したような声を漏らしたかと思えば、その背中を見つめて何か期待するようなニマニマした笑みを浮かべている。

 

 ……何を考えているのかわからなくもないが、あのテンションの時に近づくのは危険だ。

 そう思って俺はソロリソロリと一旦この場を後にしようとしたが、そこへ後ろからルゥちゃんの入ったカンガちゃんがバタバタ飛び跳ねながら近づいてきてしまう。

 もちろんそんな物音を立てたせいでキャシーはこちらに気づいてしまい、想像通り飛びつかんばかりの勢いで迫ってきた。

 

 このまま抱き着かれたらたまらないと、慌てて連れ出していた方のアルケンを盾にするように前に出し、乗りたければどうぞと差し出してみる俺。

 果たして目論見通り、或いは俺が想像していた通りキャシーはそのサドルのついているアルケンを確認すると嬉々とした様子で矛先をそちらに変えて……手綱を握りながらも俺に振り返り本当に乗っていいのですかと確認してきた。

 そんな彼女に頷き返しながら、むしろ非常時に備えて飛行生物には慣れておいてもらいたいので拠点の外に出ないなら練習がてら自由に乗り回していいと伝えると何度も感謝の言葉を叫びながらアルケンに乗って早速空へと舞い上がっていった。

 

 ……俺も初めてプテラで空を飛べるってなったときは物凄く興奮したっけなぁ。

 多分前々から気にはなっていたんだろうけどアルケンの数が限られていた上に他に優先して考えることが多くて言い出す余地なんか全くなかった。

 だからこそようやく色々と落ち着いてきた今になって、しかも新しくアルケンの数が増えているのを見てついに我慢ならなくなったのだろう。

 

 ……あ、しまった……彼女の勢いに押されてつい行かせてしまったけどどうせなら俺がアルマジロとかを捕獲に行く間だけでもルゥちゃんの面倒を見てもらえばよかったのに……

 ちょっと後悔しかけるが、キャシーが起きていたのなら他の二人も既に目を覚ましている可能性は十分ある。

 そうなれば疲れてるっぽいオウ・ホウさんにはもう少し休んでいてもらえると思い、軽く拠点内を見回すと頭上の方から声が聞こえてきた。

 

 そちらに振り返れば思った通り、昨夜見た監視塔と思わしき建物の上から顔を覗かせているソフィアの姿があった。

 ちょうどいいから彼女にルゥちゃんのことをお願いしようと思い近づくが、その前に向こうからパタパタと慌てた様子でこちらに向かって駆け下りてきた。

 そしてその顔は少し前に見たキャシーの様にキラキラと期待だか興奮だかが入り混じったような感情がにじみ出ていてちょっとこれは……と思ったのもつかの間、彼女はしっかり俺から少し離れたところで止まってくれたので思わず安堵に胸を撫で下ろしてしまうのだった。

 

 ……キャシーと違ってソフィアはちゃんと距離感というものを理解してくれ……ってあれ? なんか彼女の視線は俺じゃなくてルゥちゃん……と一緒に袋の中で休んでるオウ・ホウさんに向いてないか?




今回名前が出た動物

モレラトプス(瘤付き)
パラサウロロフス(パララ君の同種)
ドエディクルス(アルマジロ)
アンキロサウルス
アルゲンダヴィス(アルケン達)
プロコプトドン(カンガちゃん)
プテラノドン
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