ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第555話

二百六十八頁目

 

 考えてみればキャシーとソフィアの時は命の危険が間近に迫っていて合流がどうとか迷っている暇もなかった。

 また仮に悪人でも力の差で何とでもなりそうな女性だったというのも、拠点に受け入れるためのハードルを引き下げてくれていた気がする。

 しかし彼女達を……間違いなく見た目も中身も魅力的だと言える女性が二人も加わった今、余り軽率に仲間を……特に男を受け入れるのは危険かもしれない。

 

 逆に俺一人だった時などはハンスさんのようにむしろ男の人が来てくれた方が助かったのだが……何ならば将来的には男性用の拠点と女性用の拠点でトライブを二つに分けることも考えた方がいいのかもしれない。

 尤もキャシー達が今後も俺達と友好的に付き合っていくのならばの話だが……冷静になってみれば、彼女達は一時的に俺達と行動を共にしているだけでまだ正式に仲間になると言ったわけではなかった。

 ルゥちゃんの一件については流石に誤解が解けたとは思うし、再び親しく接してくるあの態度が嘘だとも思えないが、だからと言ってずっと一緒に居ることを想定するのはちょっと気が早すぎたかもしれない。

 

 それでも今回の件は少しずつ考えていかないといけないな……新しい生存者をどこまで信じてるのか、またどうやって受け入れられる体制を作っていくのか……多分それはリーダーである俺の役目だ。

 ……ってこれもよくよく考えたらハンスさんとオウ・ホウさんがそう言ってくれているだけでルゥちゃんはともかく、ソフィア達がどう見ているのかはわからないのだが。

 ただ俺に言われた通り落とし罠風の建物を作り上げたことを嬉々として報告してくるキャシーを見る限り、取りあえずは俺の意見を尊重してくれるみたいだ。

 

二百六十九頁目

 

 改めてキャシーはアルケンで掴んだアルマジロを罠の中に上手に放り込んで見せた。

 もちろん一発で決めてくれて、もはや動物の扱いに関する才能については疑う余地もない。

 これで後は動物を仲間にする一連の作業もこなせるのならば、後々は俺と一緒に野外活動にも参加してもらいたいところだ。

 

 そう思いながら高品質の弓矢を渡して麻酔矢を打って貰った……が、どうにも上手く弦を引くことができなかった。

 高品質だけに強い反発で勢いよく矢を打ちだせるようになっているため弦を引くのにも余計に力が必要なのは事実だが、顔を真っ赤にするほど必死に力を込めなければ難しいとは思わなかった。

 ……しかしよくよく考えるまでもなくキャシーは女の子なのだから、歴戦の戦士であるオウ・ホウさんや前の島で覚悟を決めて散々鍛えまくった俺が使う弓を同じように使いこなせと言うのは無理な話だったかもしれない。

 

 俺が軽々と使っている弓矢を結局まともに使えなかったキャシーはガックシと肩を落とすとダメでしたと申し訳なさそうに弓を返してきた。

 同時にこれがガンなら問題なく仕えたのですがと未練がましく漏らしながら、何か期待するような目でこちらを見てくる。

 ……いやまあ確かに前の島での話をしたときに重火器を作ったことも話したけど、流石に今の生産力ではまだ無理です。

 

 だから仕方なく昨日溶かしておいたインゴットを使って普通のクロスボウを作って渡すと、これはまあ問題なく使えるようであった。

 そして銃なら使えると言った通りというべきか、狙いに関してはアルマジロぐらいの速度なら距離があろうと動いていてもしっかり打ち抜ける程度の腕前を披露してくれるのだった。




今回名前が出た動物

アルゲンダヴィス(アルケン)
ドエディクルス(アルマジロ)
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