ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第556話

二百七十頁目

 

 捕獲から餌付けまで自力でこなして仲間になったアルマジロが自分にすり寄るのを見て以来、キャシーは歓声を上げながら全身を撫でまわし続けていた。

 前にも馬を一頭仲間にしていたはずなのだが、一体全体どうしてここまで感動しているのかちょっと不思議に思う。

 ……まああの時は状況が状況だから喜ぶ余裕もなかったのかもしれないし、そもそも生まれ育ち的に触れ慣れている馬と違ってここにしかいない生き物だからこそかもしれない。

 

 とにかくテンション高めに騒いでいるキャシーだったが、俺に向かっては色っぽく目を潤ませながら……いやむしろ子供の様にキラキラさせながらというべきか、とにかくそんな眼差しで見つめながらサドルをつけて乗り回したいみたいなことを口にしてくる。

 まあ素材的にも問題なく作れるし、付けておいた方が便利なのも事実なためすぐに作って持っていくと今度はアルマジロに跨りながらGOGOと流暢に叫びながら彼方を指さした。

 

 もちろんご主人様の命令に逆らうはずもなくアルマジロ君は言われるままに進んでいき、それに感動したキャシーは更に早く進むよう指示を出した。

 そして忠実に命令を聞き続けたアルマジロは必死に足を動かして走り出し、更に速度を上げるように言われて……丸くなり転がる形で応えた。

 当然背中に乗っていたキャシーは悲鳴を上げてすぐに飛び落ちる羽目になったが、意外にも何回か下敷きにされたにも関わらず怪我らしい怪我はしていなかった。

 

 ……キャシーが頑丈というべきか、それともアルマジロ君が器用な身体捌きで怪我しないよう気遣ってくれたのか……まあどちらにしてもご愁傷さまです。

 

二百七十一頁目

 

 あんな目にあわされたにもかかわらずキャシーもアルマジロもお互いへ向ける愛情?は変わらなかったようだ。

 わざわざアルケンで外まで運搬して、今度は岩を砕かせて楽しんでいるのだから。

 ……まあ石は何だかんだでたくさん使うから集めてくれるのは良いんだけど、できれば金属鉱石が混じっているのまで砕くのは勘弁してほしいなぁ。

 

 多分これはアルマジロに興奮して見境が付かなくなっている……のではなく単純に岩の種類に見分けがついていないのとアルマジロ君で砕いたら金属鉱石として使えないサイズにまで砕かれてしまうと気づいていないだけなのだろう。

 だから一通り砕き終えて満足したらしい彼女に説明しようとしたところで、ドンドンと監視塔から太鼓の音が響き渡ってきた。

 

 これは緊急事態、というにはなんか鳴り方に焦りを感じない気がするが……とにかく急いで戻ることにしよう。




今回名前が出た動物

ドエディクルス(アルマジロ)
アルゲンダヴィス(アルケン)
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