ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第557話

二百七十二頁目

 

 キャシーと共に引き返すようにソフィアのいる見張り台へ向かおうとするが、空に飛びあがったところでおおよそ何を訴えたいのかわかってきた。

 何故なら少し離れたところに空の上から一直線に光の帯が伸びてきているのが目に入ったからだ。

 既に女性陣にもあの光は便利な道具が入っているカプセルが放つことも、中身の質が色事に違うことも教えてある。

 

 そして今見えている色は黄色……上から二番目に良い物が手に入るカプセルであり、だからこそソフィアも気を効かせて教えてくれたのだろう。

 果たして実際に見張り台に近づくとソフィアがカプセルの方を指さしているではないか。

 ……ただその表情は何かを期待しているようなワクワクといった感じのものすごぉくいい笑顔であり……多分これは近くで実物を見てみたいから連れてってくれないかなぁとか考えているんだろうなぁ。

 

 もちろんそれは俺の後を付いてきたキャシーも同じなようで、あの光の正体に気づいた辺りから何が出るか楽しみデース!!ともうくじ引きを引く前の子供のようなテンションで俺に話しかけてきている。

 ……うぅん、二人とも元気なのは良いことだけれど、拠点やら物資やら仲間の動物という戦力やらが揃って安全な環境が手に入ったことでここの危険さを軽視していないだろうか?

 そういえば思い出してみればフローラも一度環境が整いだしたら結構はしゃいでいた気がするし、その勢いで洞窟に乗り込んで酷い目にあったからなぁ。

 

 尤も自発的に監視塔を作って周りを見張っていたり、外に出るときは必ず俺や動物などの護衛を共に引き連れているところを見るとちゃんと自覚できているとも思えるが……まあ取りあえずはもう少し様子を見て本格的に注意するか判断するとして、今のところも警戒だけは怠らないよう軽く釘を刺しておこう。 

 

二百七十三頁目

 

 どうやら俺の心配は早計だったようだ。

 結局二人とも引かないのを見て一緒にカプセルのところへ行くことになったのだが、その際に二人は少し離れたあそこまでどうやって向かうのか自ら相談してきたのだ。

 具体的には俺が良くやる様にいざという時にサッと退散できるよう機動力のあるアルケンを利用して少数精鋭で一気に行って戻ってくるか、それとも何が起きても対処できるよう可能な限りの動物を護衛として引き連れたうえで移動要塞のパララ君に乗ってどっしりとした体制で向かうか、もしくはそれ以外の方法か……俺の考えを聞かせて欲しいという。

 

 一番経験豊富な俺の意見を尊重しつつも自分達なりに安全な方法を考えているところを見ると、この二人はちゃんとARKの危険性と慎重な行動の大切さを理解できているように思えた。

 多分その上で余り気持ちが落ち込まないように……或いは単純に元からの性格からか、興味のあることを全力で楽しもうとしているだけのようだ。

 実際に俺がアルケンで一気に飛んでいく暗にしようと言った際には誰がどれに乗るかを話し合い、何なら慣れていないソフィアは残ってここの監視塔から危険な動物が近づかないよう見張っておく案も出てきたほどだ。

 

 ただその際にソフィアは言葉の上でこそ理解を示すようにそうした方が安全ですもんねと口にしながら、その顔はものすごぉく不満そうというか渋いというか悔しいというか『むむむぅ』と言いたげというか……ちょっと頬を膨らませているように見えた。

 どうも光を伴って天空より遣わされた道具という響きに英雄譚的なノリを感じているらしい……つくづくソフィアはオタク……物語の一節をなぞるのが好きなようだ。

 流石にこんな彼女を置いていくのは可哀そうだし、アルケンには慣れておいてもらいたいのも事実だからこの際一緒に行くとしますか。




今回名前が出た動物

アルゲンダヴィス(アルケン)
パラケラテリウム(パララ君)
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