ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第558話

二百七十四頁目

 

 ソフィアの時代には人が空を飛ぶなど夢のまた夢といった話で合ったらしく、アルケンに跨ったソフィアはやはりドキドキワクワクした様子であった。

 ただその興奮はキャシーほどではないようで、実際に飛び上がってみると少しばかりふら付いている上に落ちないように操作する方に気を取られて楽しむどころではなさそうであった。

 それでも速度さえ出さなければ何とか普通に飛ぶぐらいはできるようになると笑顔で周りを見回し始めたが、それよりもアルケンのかぎ爪でどこまでの重量を持ち上げられるのかの方が気になっているようだった。

 

 とにかく移動できるようになったから皆でカプセルに向かいながらその道中で自分のわかる限り掴める生物の特徴、というよりサイズについて説明すると人を持ち上げられる点に食いついてきた。

 どうもソフィアの知る物語の一節に巨大な怪鳥のかぎ爪に捕まって谷から脱出する話があったようで、自分も同じことができたらなぁと思ったことがあったそうだ。

 ……なんか聞き覚えのある話だと思って少し首をかしげたが、ソフィアが例のごとく早口で内容を語り出したところで超有名な昔話であるシンドバットであることに気がついた。

 

 果たしてソフィアに確認してみるとアラビアンナイトを知っているのですね!!と喜びだし感想を語り合おうと……いやアラビアンナイトってアラジンだと思ったけどシンドバットと関係あるんだっけ?

 

二百七十五頁目

 

 何故かシンドバットの話のはずが、シャフリヤールにシェヘラザードにドゥンヤザードという聞いたこともない登場人物の名前を出されてどう答えていいか困る俺を助けるようにキャシーが横からどういう話なのか尋ねてくれた。

 お陰でソフィアの話し相手がそちらにズレて一安心して胸を撫で下ろした……のもつかの間、急に二人が大声を上げたからびっくりした。

 慌てて頭を上げてみれば二人は遠くを見つめながら呆気にとられたような顔で固まってしまっていた。

 

 この二人が黙り込むなんてどれだけの異常事態なのかと恐ろしさすら感じながら、二人が見ていた方へ視線を向けて……俺もまた固まってしまった。

 何故ならそこには……はるか遠くの方だがはっきりと見えるほどの山の様に超巨大な首の長い動物が空から落ちて来ていたのだ。

 あれは前の島にも一頭だけしかいなかった頭に大砲をぶつけなければ眠らせることもできない最大の草食動物だが、一体全体何であんな巨体が何もない空から降ってきているんだ?

 

 全くもって訳が分からない……おまけにあれだけの巨体だというのに着地した衝撃も何も感じていないかのように平然とノシノシと動き出すのも……一体何がどうなっているんだ?




今回名前が出た動物

アルゲンダヴィス(アルケン)
ティタノサウルス(山の様に超巨大な首の長い動物)
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