二百七十九頁目
拠点に戻ったところ、牧場内をカンガちゃんに乗ったまま行き来しているルゥちゃんの姿が目に入ってきた。
カプセルを回収しに行く前に元気になってきたオウ・ホウさんに面倒を見るよう頼んでおいたのだが、この調子なら特に問題は起こらなかったようだ。
そしてもう一人残っていたハンスさんは住居の二階部分で何か作業をしているようであった。
大きいサイコロの上に小さいサイコロを並べたような住居なだけに二階部分にはベランダというには大きすぎるスペースがあるのだが、どうやらそこに植物を育てるための菜園を並べているようだ。
もちろん自動で水をやれるよう水道も引っ張ってきてあり、これなら後は植える種と肥料さえあればいつでも農業を始められそうであった。
……ただ種のほうは果実を採取する際についでの様に取れているが問題は肥料の方だ。
前の島でも農業はしていたけれど、あの時はフローラが一手に担っていたから実際のところどんな肥料をどう使っていたのか俺は余り知らないのだ。
確か肥料を作るための堆肥箱は作っていたような気がするが……そう思って実際に左手首の鉱石を眺めてみたら普通に思いつくことができた。
材料も木材と藁と繊維ぐらいしか使わないし、後でちょこちょこっと作っておこう。
二百八十頁目
朝早くから活動していたからか流石にお腹こそ減ってきているが、あれだけ活動したのにまだ太陽は登り切っていない様子であった。
今食事をしたら朝食と呼ぶには遅すぎて、かといって昼食というには早すぎる微妙な時間帯だ。
それでも食事休憩にすることに決めたのは、こちらに気づいたハンスさんがそろそろ本日の予定を話し合いたいと切り出してくれたからだ。
確かにこれだけ人員が増えた今、きちんと話し合って最低でも誰が何の分野を中心に担当するのかぐらいは決めておいた方が良い。
そういう意味も兼ねて皆で揃って相談の時間を兼ねた食事休憩を取ることにした……のだが、どうもハンスさんとルゥちゃんは起きた後でしっかり朝食を取っていたらしい。
それに対してキャシーとソフィアは昨夜の通り、一番早く起きて精力的に活動していた俺を差し置いて食事するのは悪いと思って今まで何も言わないで我慢していた。
……尤も二人の朝からのテンションを見る限り、色々と楽しみ過ぎて食べるのも忘れてしまっていただけのような気もしなくもないのだが。
だけどこの過酷なサバイバル環境で下手に俺を気遣いすぎて体調を崩されても困るわけだし、この機会にその辺も話し合っておくとしよう。
今回名前が出た動物
プロコプトドン(カンガルー)