ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第562話

二百八十四頁目

 

 ルゥちゃんはともかく、キャシーとソフィアも今の時点ではこのARKで生きる目的を決められないでいたようだ。

 もちろん物語に出てくるような動物を捕獲したり乗りこなしたり、或いは洞窟の奥へ踏み入っての宝探しに……またソフィアの方は個人的にヘレナ氏の日記を気にしてるっぽいし、それを探したいという思いもあるようだ。

 だけどそれはあくまでも『今やりたいこと』であって、長期的に目指すべき目的にはなりえない。

 

 何ならば全ての動物の捕獲とかを目指すのならば話は別だが、二人はまだそこまで大げさなことを考えているわけでもない。

 だからこそこのARKで俺やハンスさんの様にやりがいのある目的を見つけるためにも俺達の手伝いをしたいと申し出てくれた。

 ……こちらとしては彼女達が協力してくれるのは有難い限りだが、同時に早く彼女達にもこのARKで生きていく目的が見つかってほしいとも思ってしまう。

 

 この過酷な土地では絶対に生き抜くという意思はとても大事だ……だけど帰る場所を失った状態で目的まで見つからないと、最悪の事態に直面した際に諦めてしまいかねない。

 どんな状況でも足搔いて足搔いて足搔きまくればチャンスはあるのかもしれないのに……それこそ俺が前の島で管理者相手に最後まで抵抗して何とか道を切り開けたようにだ。

 そうならないためにも、彼女達にもこんな場所だけれど生きるに値する何かを早く見つけて欲しいのだ。

 

二百八十五頁目

 

 取りあえず皆の意思を確認して当面の目標は俺やハンスさんの目指す通り、このARKの攻略ということで落ち着いた。

 そのためにやらなければいけないことはオベリスクを起動するためのアーティファクト集めだ。

 つまりは洞窟の探索と戦力の補充が基本であり、それに伴い動物や物資、更には施設や設備も整えていく必要がある。

 

 ……尤も今までもずっとその方針で俺とハンスさんは動いていたわけだし、自然と俺達を手伝ってくれていたキャシーとソフィアがやることも大して変わりはしない。

 ただ明確に変わる点としては女性陣も事情を知ったことで自分なりにこのARKの攻略について考えて行動できるようになったことだろう。

 これまでも自発的に動いてくれてはいたが監視塔や拠点の回収に畑……どうもあれはキャシーがハンスさんに暇なときにと頼んでおいたものらしく、それを踏まえても彼女達は生活の安定のために動いていた。

 

 だけどこれからはARKの攻略に移るために力を貸してくれるわけで、実際にキャシーもソフィアもアーティファクトが隠れている洞窟探索を行う気満々であった。

 ……でもまだこの砂漠用の装備は俺一人分しかないから、当面は俺一人で探索を行うことになりそうだ。

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