二百九十四頁目
想定通り問題なくティラノを眠らせて餌付けに成功したのは良いが、まだもう少しだけ暗くなるまでの時間は残っている。
だから住居の屋根の上に篝火を焚くことで暗くなった後でもたどり着けるよう目印を作ると、もうひと踏ん張りとばかりに空へと飛び立ち周囲を軽く観察することにした。
まずは地形とそこに分布する生物に素材……本格的にではなくあくまでも空の上からサッと見下ろしただけだが、近場にある山で水晶と思わしき輝きを見つけることはできた。
それに対してあれほどあちこちにあった金属鉱石は見当たらない……代わりとばかりにゴーレムが擬態している岩もどきは相変わらず山の斜面にまで点在している。
少なくとも今の戦力で強引に調べることは不可能だろうし、わざわざこんな微妙な時間に突っ込んでいく必要などはない。
だから山の視察はそこまでにして、後は超えた先に何があるかだけ確認しておくことにした。
尤も外側にはどこまでも果てることもなく一面の砂景色が広がるだけなのは緑のオベリスクのところでわかっている。
だからここもと思った通り、そこにはただの砂丘がどこまでもどこまでも……ってなんだアレっ!?
ちょうど山を下った辺りに赤く光る谷間が見えるっ!!
新しく自分用に作った望遠鏡で確認するとどうやらあの赤いのはマグマの光っぽい……前の島でもマグマの洞窟があったけれど、まさかここが入り口なんじゃないかっ!?
二百九十五頁目
まさかこんなにも早く洞窟と思わしき場所を見つけることができるだなんて自分でもびっくりだ。
こうなれば今すぐにでも調べに行きたいところだが、流石に日が落ちかけているこの時間帯に未単作地帯へ向かうのは無謀がすぎる。
ただでさえ奥深そうな谷……というより地面との間にできた溝のような場所なだけに内部は非常に薄暗いことが予想される。
だからできるなら一番明るい時間帯に調べたいところだが、同時にマグマっぽいのが流れているところを見ると温度も外部より高そうなのが問題だ。
熱がヤバそうなら涼しい時間帯に行った方が良いかもしれないしちょっとだけ迷いそうになる。
前の島で攻略したマグマの洞窟の時は今着ている絹の装備でこそないが熱に強いギリー装備で何とか堪えられる程度であったが……まああんまり暑いようなら耐えきれなくなる前に逃げて改めて対策を考えればいいだけだし、とにかく一番明るい時間に目指すことにしよう。
……何だか時折谷の中が明るくなるけれど、あれは多分流れているマグマが何かの拍子に跳ねたりしたせい……にしては光源が赤一色じゃなくて時折青白く稲光っぽい輝き方をしているような……光の屈折か何かのせいでそう見えているだけなのかな?
今回名前が出た動物
ティラノサウルス
ロックエレメンタル(ゴーレム)