ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第567話

二百九十六頁目

 

 谷には明日また挑むとして今はこの場を離れ、別の方を探索して回ることにする。

 ぐるりとオベリスクを中心に円を描くように周囲を空から見下ろしていくと、やはり目に付くのは山肌ばかりだった。

 これはオベリスクの周りを包むように山のような地形が隆起しているせいだ。

 

 そしてその山肌にはゴーレムの擬態した岩があちこちに……それこそ今にも滑り落ちてきそうな斜面にまで存在している。

 下手したら滑ってきそうでちょっと怖いが、結構力強く根付いているのか落ちてくる様子は全く見られない。

 ……だけどもし何かの拍子にあいつらがこっちに攻め寄せてきたらと思うと、ここに動物用の拠点ならともかく人間が住む住居を作るのは危険すぎるかもしれない。

 

 それこそ長居した際に起こる動物の襲撃が発生したらゴーレムが混じってきそうだ。

 せめてあのゴーレムへの対処法や、或いは純粋にティラノの頭数を揃えて暴力で押し返せるほどの戦力が整ってからなら話は代わるだろうが……いやそれにしても向こうも数を成して押し寄せてきたらと思うと……

 くそ、やっぱりこの砂漠を制するためにはあのゴーレムをどうにかできるようにならないと不便が多すぎて仕方がない。

 

 今までも何度か考えていたが、ティラノが仲間になったことだし、そろそろ本腰入れてあいつの駆除に取り掛かるべきかもしれないな。

 

二百九十七頁目

 

 ゴーレム対策に頭を悩ませながらも地表を観察していた俺の目に遺跡のような残骸が目に飛び込んできた。

 どう見ても人工的に作られたであろう円柱が何本か規則正しく並んでいるだけだが、古めかしさからして間違いなく先達者様の居た痕跡だろう。

 つまり日記が残っている可能性が高いわけで、俺は周囲に危険な動物がいないかを念入りに確認してからそこへ舞い降りた。

 

 そして少しばかり辺りを漁ってみたところ、思った通り鞄のような物の中から日記の断片を見つけることができた。

 しかしこういう鞄に納まっている日記は初めて見るタイプだ。

 ……そういえば前の島でも日記を書いている人物に応じて入れ物は違っていたっけ。 

 

 実際に中を少し読んでみると、この日記は俺も全く初めて聞くダケイヤという人物の日記であるとわかった。

 これで俺が知る先達者様は五人目になる……きっと彼もまたこのARKで日記を残せる程度には上手くやってこれたに違いない。

 果たしてそんな新しく知る彼がどんな人間でどう生きたのかに興味がないと言えば嘘になる。

 

 ただそれ以上に今の俺達に何か役立つ知識が書かれていないかが気になるが、もう少しで暗くなりそうな現状で熟読するわけにはいかないな。




今回名前が出た動物

ロックエレメンタル(ゴーレム)
ティラノサウルス

【今回登場した日記】

ダケイヤの記録(#2)
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